旅レポ

日本最古の古道『山の辺の道』で歴史ロマンにひたる歩き旅

2020年7月3日

 日本最古と伝えられる道が、奈良にある。奈良県奈良盆地、大和高原の西麓を南北に通じる『山の辺の道』。

 古代は飛鳥から平城京へ、中世は伊勢参りの交通路として利用されてきた。現在は天理市の石上(いそのかみ)神宮から桜井市金屋の間で、古道の跡がたどれるのみだ。

 沿道には石上神宮をはじめ、崇神天皇陵、景行天皇陵、檜原(ひばら)神社、大神(おおみわ)神社などの陵墓・古社寺が多く、歴史ロマンを感じる名所をつなぐ。東海自然歩道と重なる部分が多く、歩道はハイキングコースとしてよく整備されている。

 石上神宮から桜井までのコースは、のどかな田園や大和三山を眺望でき人気だ。JR天理駅を起点に、歴史をたどる15kmの旅路へ。

 7月1日。午前9時30分に天理駅に下り立ち、歩くこと30分。石上神宮で参拝を済ませる。

 この日は月次祭(つきなみさい)が執り行われ、祝詞に続き、巫女による神楽の音が境内に響き渡っていた。偶然に巡り合ったこの神事により、新しい月と、山の辺の道のスタートを、すがすがしい気持ちで迎えられた。

 天理観光農園、夜都岐神社(やとぎじんじゃ)を経て南に進む。

 山の辺の道には標高の高い山や急峻な登山道、そこからの絶景も存在しない。かつての交通路として大和高原の山麓を沿うように作られた道は、天理の街並みと田園風景が、ただただ広がっている。

 その情景が実に心地よく、これこそ日本の原風景、日本人の心の風景だと思えた。

 沿道には無人販売所や休憩所が点在しており、そのひとつ『せんぎり屋』では、冷たいお茶を無料でいただけた。お礼にせんぎり大根を購入する。

 山の辺の道の中継地点『天理トレイルセンター』では、周辺史跡の紹介コーナーや土産屋があり、ハイカーの情報収集や休憩施設として機能している。ここでお弁当を広げるも良し、館内のレストラン『洋食Katsui 山の辺の道』で洋食をいただくも良し。

  • 【天理市トレイルセンター】
  • 会館時間:8:30〜17:00
  • 施設定休日:第1月曜休み
  • 【洋食Katsui 山の辺の道】 
  • 営業時間:ランチ 11:00〜15:00(L.O.14:00)
  • レストラン定休日:毎週月曜

 絶品のメンチカツ定食は1,400円なり。

 洋食Katsui には美しい眺望を望める開放的なデッキがある。他の席が空いているにもかかわらず、デッキ席が空くのを忍耐強く待つ人もいた。そのぐらい魅力的なデッキであり、平日にもかかわらず客足が途絶えない、洋食Katsui の魅力のひつとつなのだ。

 天理トレイルセンターを出発し、桜井方面へと向かうと大きな丘のようなものが見えてきた。日本武尊(やまとたけるのみこと)の父として知られる、第12代天皇の墓『景行天皇陵』だ。全長約300mの前方古円墳はちょっとした山に見えるほど大きい。取り囲む濠は全長約1kmと、スケールが違う。

 檜原神社から大神神社は参拝客が増え、にわかに道がにぎわってきた。天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭神する檜原神社を参拝し、大神神社へ。

 日本最古の創建とされる大神神社は、三輪山を御神体とするため古来より神殿はない。拝殿と、独特の形をした三ツ鳥居のみが立つ。ここまで無事に歩けた感謝をお伝えし、ゴールの桜井駅へ向かう。

 桜井市金屋、大和川河川敷がハイキングコースの終点だ。ここは仏教伝来の地とされ、欽明天皇の時代に、百済(いまの韓国西部)からの使節が川をさかのぼり、この地に上陸し、仏教を伝えたと言われている。

 もともと日本人は八万神(やおよろずのかみ)を信仰していたが、仏教の教えが優れた文化や書物と一緒に伝わると、外国から来た神として人々の間に広まったことは、よく知られているとおりだ。

 桜井駅まで河川敷から約1.5km。夏場のアスファルト道歩きを前に、しばし休憩する。河川敷には心地よい風が吹いていた。

山の辺の道ハイキングコース

  • 歩行距離:約15km
  • 歩行時間:約4時間
  • 難易度:ハイキング入門向け

山の辺の道へのアクセス

  • 行き:JR・近鉄『天理駅』下車後、石神神宮へ徒歩約30分
  • 帰り:仏教伝来の地より徒歩約20分 JR近鉄『桜井駅』へ

参考書籍 & 使用機材

関連記事

  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

\この記事はどうでしたか?/

-旅レポ
-

© 2020 Takashi Blog Powered by AFFINGER5