Unihertz Atom ユニハーツ アトム

山道具

【実機レビュー】ユニハーツAtomがアウトドア用途に最適な理由

 合言葉は防水・防塵・耐衝撃。

 今年35歳になろうといういい大人が、この3つの言葉が並んでいるだけで、遠足前の小学生のようにワクワクしてしまう。

 Unihertz Atom(ユニハーツ アトム) は防水・防塵・耐衝撃に対応した世界最小の4Gタフネススマートフォンである。

 手のひらに収まるサイズから一般用途に不向きなのは明らかで、決して万人におすすめできる製品ではない。主にランニングや登山、アウトドアでの使用を前提に作られた製品だろう。

 「小さいは正義」

 他にはない突き抜けたコンセプトは、私の心に突き刺さった。

 ここでは、アウトドア用のスマートフォンを検討している人のために、Unihertz Atom をご紹介しよう。

目次

Unihertz とは

Unihertz Atom ユニハーツ アトム

 上海Unihertzコマース株式会社は中国の電子機器メーカーである。

 モバイルデバイスの開発・販売を手がけ、第一弾の商品は、世界最小LTEスマホ「Jelly Pro」であった。

 アメリカのクラウドファンディングサイト「Kichstarter(キックスターター)」で出資を募り、開発。日本Amazonでも販売されている。

 Unihertz が手がける第二弾商品が「Atom」だ。日本の技適(技術基準適合証明等)も取得済みである。

 最近世間を騒がしているHuawei(ファーウェイ)や、ドローン、カメラスタビライザーを開発するDJI(ディージェイアイ)などの中国電子機器メーカーは、安かろう悪かろうというかつての中国製イメージを拭い去った。

 今回紹介するUnihertz 製品も、安価ながら質感・機能ともに優れており、世界に通用する製品といえるだろう。

 余談だが、靴メーカーに勤めていたころ、中国で生産した靴の仕上がりには毎度驚かされていた。世界中の一流ブランド靴を生産する中国は、靴づくりも抜群にうまい。私の器用さは自他ともに認めるところだが、それでも到底かなわなかったのだ。

Unihertz Atom の詳細スペック

Unihertz Atom ユニハーツ アトム
  • 寸法:96*45*18 mm
  • 重量:108g(バッテリーを含む)
  • 色:スペースブラック
  • OS:Android 8.1
  • CPU:Octa Core 2 GHz
  • RAM:4GB
  • ROM:64GB
  • バッテリー:2000mAh
  • ディスプレーサイズ:2.45インチ
  • 解像度:240*432ピクセル
  • SIM Card slot:Dual Nano SIM
  • USB:USB Type C
  • Misc:IP68 water proof
  • 価格:日本Amazon ¥29,399(税込)

Unihertz Atom ユニハーツ アトム
2.45インチのディスプレー。下部には指紋承認センサーを備える。
Unihertz Atom ユニハーツ アトム
音量ボタン。物理ボタンは本体サイズのわりには大きめで、操作しやすい。
Unihertz Atom ユニハーツ アトム
イヤホンジャックを装備。
Unihertz Atom ユニハーツ アトム
背面は滑り止め加工が施されている。

 標準的なAndroid スマートフォンの性能を有しているため、メッセージのやり取りやWEBでの調べ物、SNS、スケージュール管理などは問題なくこなせる。

 3Dゲームなど高負荷のかかるアプリはスムーズに動くか分からないが、そもそもAtom を手に取るユーザーは求めていない領域の話だろう。

 2000mAh のバッテリー容量は、通常の使い方で1日十分もつ。大容量バッテリーを搭載したスマートフォンから比べると心もとない容量かもしれないが、電力消費の小さいAtom には十分だ。

Unihertz Atom の3つの特徴

 特に気に入った点は「サイズ」「防塵・防水・対衝撃」「GPS精度」の3点である。

サイズ

Unihertz Atom ユニハーツ アトム
iPadとスマートフォンの比較ではない。iPhone 8 plus とAtom の比較である。

 世界最小の4Gタフネススマートフォンをうたうだけあって、本当に小さい。

 梱包されていた箱のサイズを見たときは、そこにスマートフォンが入っているとは思えなかった。

 近年、スマートフォンはどんどん大型化してきた。画面は大きく動画も大迫力で見られるし、文字も打ちやすい。外付けキーボードをiPhone8 に接続して原稿を書いたこともある。

Unihertz Atom ユニハーツ アトム

 ただ、操作に両手が必要なのが難点だった。片手で使えるiPhone4s のサイズ感は本当に良かったと今でも思う。

 Atom のギリギリまで切り詰めたサイズは、デニムのコインポケットにさえ収まってしまう。ランニングパンツのポケットや、登山ザックのショルダーポケットに携帯しても邪魔にならない。

 このサイズこそが、Atom を選んだ第一の理由である。

防塵・防水・対衝撃

 アウトドアガジェットは、防塵・防水・対衝撃の性能を備えていてほしい。Atom はケースを装着しなくても、この3点に対応している。

IP規格の意味

 防塵・防水機能ではIP68に準じているが、具体的にはどういう意味だろうか。

 IP68の「6」の数字は、人体・固形物体に対する保護性能を示しており、6は完全な防塵構造であることを指す。

 「8」の数字は、水の侵入に対する保護性能を示し、8は水面下での使用が可能なことを表す。

 ※参考:IP規格・防水保護構造及び保護等級

 IP68は高レベルな防塵・防水機能であることがわかるだろう。

GPS精度

Unihertz Atom ユニハーツ アトム

 長らく、登山の三種の神器には登山靴・ザック・レインウエアが掲げられてきたが、そろそろスマートフォンを加えてもいいのではないだろうか。

 通信技術が発達した現在では、山中でも携帯電波がつながることが多いし、GPSの精度も信頼できるものとなった。緊急時のため、山行に満充電のスマートフォンの携帯は必須であろう。

 実際にAtom のGPS精度を確かめるため、兵庫県の六甲山で検証してみた。尾根沿いの一般道や谷筋のバリエーションルートで地図を表示させてみたが、正確に現在地を表示してくれる。

 もちろんバックアップに紙地図とコンパスは携帯しているが、このGPS精度なら地図アプリも信頼して使えるるだろう。

 紙地図とコンパスの使い方はこちらを参考に。

トレイルランナーやハイカーが覚えておきたい登山地図の使い方

登山地図の簡単な使い方を解説したページです。低山である兵庫県・六甲山でさえ毎年道迷い遭難が発生しており、ハイカーやランナーに地図読みのスキルは必須です。親しみやすい「山と高原地図」を例に、簡単にできる、コンパスを使ったルートの確認方法をまとめました。

LINEやSNSは使えるか?

 現在多くの人が利用しているLINEやSNSが問題なく使えるか、気になる人も多いことだろう。

 結論は、ほぼ問題なく使える。

 “ほぼ”というのは、画面サイズが小さく、SNSに投稿された写真が少々見にくいからだ。写真の細かいところが判別しにくい場合がある。テキストを読んで返信したり、いいねを付けたりと、写真がやや見にくいことを除けば十分に使える。

文字入力は意外と快適

 そして、購入前に心配していた文字入力だが、意外と普通に入力できる。思ったほど打ちにくくはなく、フリック入力も問題ない。

 それでも長文の入力には適しているとは言えないだろう。スマートフォンで長文を入力する人は、外つけキーボートを用意するか、素直に別の機種を選ぼう。

Unihertz Atom のおすすめの使い方

Unihertz Atom ユニハーツ  アトム
地図アプリと紙地図を併用している。

 アウトドアでスマートフォンを使うタイミングといえば、

  1. 地図の表示
  2. 写真撮影
  3. 写真をSNSで共有
  4. 緊急時の電話

 このあたりではないだろうか。Atom には「PTT」という物理ボタンが設けられており、私はPTTボタンに地図アプリ「ジオグラフィカ」を設定している。

PTTボタンに地図アプリをセット

Unihertz Atom ユニハーツ アトム
赤いボタンが「PTT」ボタン。好きなアプリをあてがえる。

 PPTボタンを押せば素早く地図を起動でき、物理ボタンはグローブを装着していても操作しやすい。

Atomで表示させたジオグラフィカ。六甲山全山縦走路のルートを読み込んでいる。

 これなら走りながらでも地図を起動できるし、体力を消耗し、わずかな動作を面倒に感じる場面でも、簡単に現在地を確認できる。

 事前にその日のルートを地図アプリに読み込み、確認しながら進めば、不意のコースアウトも防げるだろう。

Unihertz Atom を購入するなら気をつけるべき点

Unihertz Atom ユニハーツ アトム

 Atom はアウトドアでの用途に特化した商品であり、一般用途には向かないことが多い。スマートフォンに何を求めるのか、よく考えて選ぼう。

サイズゆえ一般用途には不向き

 一般的なスマートフォンと同じ機能を持っているが、画面が2.45インチと小さく、日頃からスマートフォンを仕事やプライベートにフル活用している人には使いづらいだろう。

 ちょっとした調べ物やメッセージの確認・返信などは問題なく操作できるが、動画を視聴したり、電子書籍を読んだりといった用途には向かない。

 メイン機を別で用意し、アウトドア用のサブ機として使うのが最良だろう。

カメラの画質は記録メモ程度

 フロント8M、リア16Mのカメラは、決して画質が悪いわけではないが、かといって高画質でもない。明るい屋外の撮影ならそれなりに撮影できるが、暗い室内での利用は厳しい。以下、晴天下で撮影、修正なしの画像である。

六甲山ピラーロックからの一枚。
掬星台からの風景。

おサイフケータイやモバイルSuicaには非対応

 NFC(電子マネーやおサイフケータイに使われる近距離無線通信)は搭載されているが、日本の規格「FeliCa(フェリカ)」には対応していない。よって、AtomでおサイフケータイやモバイルSuicaは利用できない。

 今後モバイルSuicaや他の電子マネーに対応してくれることを願っている。しかし、QRコード決済の「PayPay(ペイペイ)」は使えるので、電子マネー決済が必要な人はPayPayを使ってみよう。

 当初、画面が小さくてバーコードを読み取れるか不安だったが、問題なく使えることが分かった。もし端末をかざしてもバーコードを読み込みにくい場合は、バーコードを拡大表示するとうまくいく。

まとめ

Atom は万人受けしない突き抜けたスマートフォンだが、サイズや頑丈さ、GPS精度など優れた特長を持っている。スマホのサイズに疑問を感じる人や、特にアウトドア用途での利用を考える人にはうってつけの製品だ。

防塵・防水・対衝撃性能を備え、山行やランニングでのルート確認、記録撮影など、Atom はアウトドアライフの強い味方になってくれるだろう。「小さいは正義」なのである。

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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