トレイルランニング 山レポート

六甲山で楽しむ雪中トレイルランニング|宝塚〜東六甲縦走路〜摩耶山

雪の中って走れるの!?

帰宅早々、妻にたずねられたがまぁ無理もない。山道を、しかも雪の積もった道を走るなど、過酷なイメージしか持たないのが普通だろう。

しかし、これが本当に気持ちよかった。静まりかえった雪の山岳ロードは最高である。

ここでは、雪の神戸六甲山をトレイルランニングで縦走した記録をご紹介する。トレイルランニングの楽しみのひとつとして参考になれば幸いだ。

目次

六甲山縦走路とは

六甲山とは、兵庫県南部の神戸市須磨区から、北は有馬温泉、東は宝塚まで連なる山々のことである。

神戸の背後にそびえる六甲山域には、高取山、摩耶山など数々の山が含まれるが、それらを総称して六甲山と呼び、最高地点の931mは”六甲山最高峰”と区別される。

関西屈指の人気を誇る低山で、休日には多くのハイキング客や登山者でにぎわうのだ。

また、日本の近代登山の発祥の地とされ、RCC(ロック・クライミング・クラブ)の創設者である藤木九三や、小説「孤高の人 (新田次郎 著)」のモデルになった、加藤文太郎らがトレーニングを積んだ山でもある。

須磨から宝塚まで続く全山縦走路は、公称56km、累積標高は約3000mに及び、低山ながら歩きごたえのある山だ。

毎年秋に開催される「六甲縦走大会」は、全山縦走路を1日で歩き通す大会であり、40年以上続く秋の一大イベントだ。多くの健脚自慢が参加し、日頃の成果を試す秋の風物詩である。

コース概要

  • ポイント:宝塚駅〜六甲山最高峰〜ガーデンテラス〜穂高湖〜摩耶山〜新神戸駅
  • 距離:約27km
  • 時間:3〜4時間程度
  • 難易度:初心者〜中級者向け

宝塚〜東六甲縦走路〜摩耶山

六甲山 トレイルランニング

朝7時に宝塚を出発した時には、すでに大粒の雪が深々と降りそそいでいた。アスファルトの登りを歩きながら空を見上げると、これから登る六甲最高峰付近には深い霧がかかっており、山頂付近は積雪が予想される。

「この冬一番の寒波が到来します……関東都心部でも積雪の恐れがありますので、交通機関など十分な注意を……」

昨夜の天気予報から、この三連休に寒波の到来を告げる知らせがあり、翌日の六甲縦走には十分な防寒装備を用意した。予報のせいか、祝日というのに、六甲山へ向かうハイカーやランナーの姿は見られない。

今回のメンバーは、筆者を除き、トライアスロンやスカイランニング、ウルトラランニングのベテランぞろいだ。少々の積雪なら不安はない。宝塚駅から塩尾寺までの地味な一般道をせっせと登っていく。

塩平寺

塩尾寺に到着すれば、ここからが東六甲縦走路のスタートである。まずは六甲山最高峰を目指すが、昨夜からの降雪でそれなりに雪が積もっている。凍結こそしていないものの、安全第一、身長に足を運ぶことにした。

砂山権現

15分ほど登っただろうか。ここは「砂山権現」。古代日本の皇族である香坂(かごさか)皇子がまつられているそうだ。しばし休憩して先を目指す。

東六甲縦走路は比較的走りやすいトレイルではあるが、最高峰までは登り基調である。加えて不慣れな雪の影響もあり、スリップに注意しながらゆっくりと進む。

大谷乗越、太平山と進むに連れて徐々に雪が深くなっており、足首がすっぽり埋まる深さまで積もっていた。

六甲山

東六甲縦走路を登り終わり、最高峰直下の一般道に出た頃には、あたり一面雪化粧に覆われている。真冬とはいえ、六甲山でここまでの積雪が見られるのは珍しいのではないか。

時計を見ると9時30分。実に気持ちの良い休日の朝である。

一軒茶屋の軒先きでしばらく休憩したのち、六甲ガーデンテラスへ進路をとる。

余談だが、六甲山には山小屋はなく、代わりに「茶屋」が多く点在していた。今でも営業が続いている茶屋が数件ある。

最盛期には、高野山・比叡山と並ぶ霊場としての歴史や「毎日登山」発祥の地として、六甲山は多くの人々が日常的に登る山である。そのため、他の山とは違う独特の文化が生まれたのだ。

一軒茶屋からは、正規の全山縦走路と一般道を選んで進める。この日は積雪の影響を考慮して、一般道を進むことにした。

摩耶山

それにしても気持ちがいい。あたりには、雪を踏む音と小鳥のさえずり、時折行き交う自動車の音しか聞こえない。

森閑とした山岳ロードを、息を弾ませながらひた走る。この空気を一度でも味わうと、もうトレイルランニングはやめられない。

摩耶山

六甲ガーデンテラスに到着する頃には、さらに雪が降り積もっていた。ここは山上の観光地で、土産屋やレストランが軒を連ねる、神戸の人気スポットである。普段は眺望のよい展望台も、この日ばかりは真っ白であった。

休憩も兼ねて軽食屋に立ち寄り、カレーを注文する。ーーそういえば昨夜もカレー食べたな。一日3食カレーでも平気な筆者は、自分でもスパイスからカレーを作るほどのカレー好きである。4ヶ月間毎日カレーを食べた時期もあった。

出てきたカレーを見て驚いた。予想外の大盛りカレーで、いかにもボリューム満点だ。大きな牛肉がゴロゴロ入っている欧風カレーは、中辛ぐらいの辛さで味も良い。

先ほどの休憩でパンを食べたこともあり、すっかり満腹になってしまった。これなら夕飯まで十分もつだろう。冷えた体も温まり、次は摩耶山「掬星台」を目指す。

トレイルランニング
左が筆者。山にいればだいたいご機嫌である。

当初の予定では、摩耶山を越えて須磨まで全山縦走する予定だったが、山上は雪が止みそうにないので、摩耶山で下山することにした。そこでスカイランナーからの提案。「穂高湖に立ち寄りましょう」。

穂高湖
穂高湖にて。

穂高湖は、摩耶山の山上近くにある人工池で、ハイカーや観光客の憩いの場である。なかなか美しい湖で、カヌー教室なども開催される。今日は雪景を楽しめるかもしれない。

状況に応じて、寄り道するのもトレイルランニングの楽しみであり、縦横無尽に登山道が広がる六甲山の楽しみでもあるのだ。

掬星台

摩耶山の山頂「掬星台」も、この日は一面銀世界に覆われていた。掬星台は日本三大夜景に数えられる景勝地であり、休日には大勢の観光客でにぎわいを見せる。天候がよければ、淡路島やアベノハルカスまで見渡せるのだが、やはり霧で真っ白だ。

記念撮影をして、全山縦走路を下山し新神戸駅へと向かう。布引ハーブ園を通過するころには、雪がすっかり降り止み、山上の雪景色がうそのようだった。標高が少し違うだけで、環境はすっかり変わってしまうのだ。街中に降雪はなかったのかな? 

下山後は新神戸駅で着替えを済ませ、居酒屋へ向かう。何だかんだで、下山後のビールを、一番の楽しみに走っているようなものである。

雪の六甲山を堪能し、満ち足りた気持ちで帰路についた。

お立ち寄りスポット

六甲ガーデンテラス

休憩に立ち寄り、カレーを食べたのが六甲ガーデンテラスだ。レストランや土産屋、展望台が設けられ、日本でも有数の展望スポットである。

  • 営業時間:店舗により異なる
  • 定休日:無休
  • 入場料:無料

クアハウス

下山後にお風呂に立ち寄るなら、ここがおすすめ。 日本で唯一、二つの天然温泉と充実した設備を持ち、カプセルホテルも併設される。

  • 営業時間:24時間
  • 定休日:無休
  • 料金:大人¥980円〜

居酒屋ごん太 本店

安い・うまい・早いが信条のザ・大衆居酒屋のごん太。各線三宮駅から徒歩3分程度の好アクセスで、帰宅前のちょい飲みに使いやすい。

  • 営業時間: 平日:16:00~23:30 土日祝:15:00~23:30
  • 定休日:無休
  • 価格:生ビール(中)¥250円〜 本日の刺身¥380〜

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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