初心者おすすめ!六甲山・ロックガーデン周遊ハイキング|風吹岩〜七兵衛山〜保久良神社

六甲山 七兵衛山

 近代登山の黎明期に先人がトレーニングを積んだ岩場を歩き、野鳥がさえずる豊かな森を進み、山頂からの海の眺めを味わおう。

 六甲山最高峰から有馬温泉に抜けるコースもいいけれど、岩、森、展望の魅力を詰め込んだ本コースも、六甲山の楽しみが凝縮されている。それでいてアクセスもよく、半日で歩けるお手軽コースなのだ。

 少しの道具と”わくわく”をバックパックに詰め込んだら、週末の六甲ハイキングへ! ここでは、ロックガーデン周遊ハイキングコースをご紹介する。

目次

ロックガーデン周遊コース概要

  • コースタイム:約4時間
  • 歩行距離:約8.5km
  • 行程:芦屋川駅→高座の滝→風吹岩→七兵衛山→金鳥山→保久良神社→岡本駅 
  • クリックで地形図を表示

 本コースは、六甲山の玄関口・ロックガーデンを経て七兵衛山、金鳥山、そして保久神社へと下山する。

 ロックガーデン入り口にあたる高座の滝を出発し、中央尾根を風吹岩へと向かおう。その途中、「つうほうプレート ひ4-10」を左に抜けるか、風吹岩手前の分岐を南に下ると万物相(ピラーロック)へ到着する。六甲山を代表する岩場の風景は、一見の価値あり。

 風吹岩からは六甲山最高峰へと至るコースを外れて横池、雌池へ。南へ折り返し、七兵衛山から保久神社へと下山する。七兵衛山は展望もよく多数のベンチが備えられているから、お昼休憩におすすめだ。

下山は分岐の多い道を歩く。要注意。

 コース上に特に危険な箇所はないが、横池、雌池周辺は踏み跡が分かりづらく、下山は非常に分岐が多い。

 読売新聞、2020年12月9日の記事によると、神戸市消防局が六甲山で救助した登山客は10月時点で96人と、過去20年で最多を記録したという。 地図によっては記載されていない分岐もある。紙地図、登山地図アプリを必ず用意し、道迷いには十分に注意したい。

ロックガーデン周遊ハイキングレポート

 六甲山・ロックガーデンの登山コースといえば、六甲山最高峰から有馬温泉へ抜ける、いわば”銀座通りコース”が鉄板であり、六甲山でもっとも人気のあるコースであろう。

 が、僕のようにロックガーデン周辺に数年間も通い続けていると、有馬温泉からの帰路の交通を考えたとき、高速バスや電車の乗り継ぎがいささか面倒になってくる。そこで今回のコースを考えた。

六甲山 ロックガーデン

 ロックガーデン中央尾根を風吹岩まで登り、その先で折り返し、七兵衛山を経由して下山する。これなら早朝に出発すれば昼過ぎには下山できるし、それでいて、六甲山の醍醐味である岩場や大阪湾の展望を楽しめる、魅力たっぷりのコースである。初心者にもぜひおすすめしたい。

 ロックガーデン入り口から中央尾根を登る。この先、保久神社までトイレや補給ポイントはないため、必要な人はここで準備を整えよう。

 登山口からほどなくして岩場が始まる。ここは藤木九三が1928(昭和3)年に、ロッククライミングを目的とした日本初のクラブ、「ロック・クライミング・クラブ」を創設し、トレーニングに励んだ場所だ。現在でも当時命名された「ピラーロック」「A懸垂岩」などの名称が受け継がれている、日本の近代登山発祥の地であるのだ。

六甲山 ロックガーデン

 写真で見るとまるで垂直の壁のように見えるが、中央尾根の岩場の難易度は決して高くはない。高度感もない。子供でも難なく歩いているから、初心者でも気をつければ大丈夫。

 岩場を登りきると緩やかな稜線歩きに入る。途中、「つうほうプレート ひ4-10」を左に入るか、尾根上の展望ポイントの先にある、道標のない分岐を南に入ろう。僕は後者から寄り道し、その先では、ロックガーデンの名物「万物相(ピラーロック)」を見学できる。

万物相 ピラーロック
六甲山の名物奇岩「万物相」

 万物相は本来なら高座の滝から「地獄谷」を登ってくる場所であるが、初心者には難易度が少し高い。しかし中央尾根からだと手軽にアクセスできるので、ぜひ立ち寄ってみよう。ちなみに、地獄谷コースの詳細は「【六甲山】地獄谷〜荒地山コースのご紹介|定番登山コースに飽きたら破線ルートで荒地山へ!」を参考に。

 風吹岩は大きな岩の塊で、この上からの展望がなかなか素晴らしい——のであるが、2021年3月現在は崩落のため岩の上には登れなかった。休憩して先に進む。

 風吹岩から北に進むと、横池の分岐に出合う。ここから銀座通りを外れ、南に折り返そう。

六甲山 横池
六甲山の憩いの場「横池」。

 横池から雌池周辺は、少し踏み跡が分かりづらかった。地図を確認すると、山と高原地図にも「道迷い注意」のマークがある。紙地図か登山地図アプリ、あるいはその両方を必ず用意しておきたい。

 横池を経て尾根を進むと、打越峠の手前から七兵衛山への登りに取り付く。10分もあれば登れるだろう。登った先には広場があり、「ほう、これはなかなか」と思わずつぶやいてしまう眺めが広がっている。

七兵衛山から大阪湾を望む。

 山頂にはベンチが多数され、そのうえ見晴らしがよいではないか。芦屋の街並みが眼前に広がり、その先には六甲アイランドが海に浮かんでいる。大阪湾に浮かぶ大型の貨物船は、空の様子が海に反射され、まるで宙に浮いているように見えた。ひと息登れば海を眺め、山に来ているのに海を見てしまう——これこそ六甲山の醍醐味であろう。

 山頂広場で昼食をとり、七兵衛山を下って南平坦道を進む。ここはスギやヒノキが植えられた美しい人工林に覆われている。針葉樹の香りが空気の中を漂い、呼吸とともに体の中を爽やかに駆け抜けていった。

 管理された森には午後の陽光が程よく差し込み、緑と光のコントラストがよく映えている。名前の通り道は平坦、トラバース道だ。金鳥山への分岐「つうほうプレート ひ43-6」まで約40分、静かな森の散策を楽しめる。

 ただし、その美しさに見とれて分岐を見逃さないように! この周辺は特に分岐が多く、間違えるとまったく別の方向に進んでしまう。かくいう僕も、何度か間違えた経験がある。

 「つうほうプレート ひ43-6」ここは4方向に道が分岐し、これを尾根伝いに南に進もう。この先、脇道に金鳥山のピークがあるのだが、何もない——三角点もない——頂上だからスルーして、保久良神社の手前にある展望ポイントで休憩した。

 水を飲みながらひと息ついていると、日本人にもっともなじみのあるさえずりが聞こえてきた。「ホー、ホケキョ」僕の聞いた、この春一番のウグイスのさえずりである。

 もう季節はすっかり春だ。濃いピンク色の桜花に包まれた保久良神社を参詣すると、なおさらに春を感じた。そして、暖かい、いや少し暑いぐらいの日差しを全身に浴びながら、のんびりと岡本駅へと歩いていった。

保久良神社の本殿。

 本コースをはじめ、阪急沿線のハイキングコースはアクセスが良く、朝、思いたったらすぐに登山口へ立てる。お手軽ながら、六甲山を満喫できる充実感のあるハイキングコースだった。ぜひ訪れてみてね。

ロックガーデンへのアクセス