登山コンパス

ハウツー 道具

登山地図と使いたいコンパスおすすめ4選|失敗しない登山用コンパスの選び方

2019年8月11日

 地図とコンパスは登山の必需品である。

 スマートフォンやGPS機器の性能が向上しても、この基本は変わらない。ハイキングでもトレイルランニングでももちろん同じだ。

 ここでは、「どのコンパスを選べばいいか分からない」という人のために、私が実際に使っているおすすめのコンパスをご紹介したい。

 記事の後半では、少し特殊な「ミラーコンパス」や「競技用サムコンパス」も紹介している。

 しかし、初めてコンパスを選ぶ人は「Ra-shin」「リストコンパス Begin」「シルバコンパスNo.7」「シルバコンパスNo.3」の4つの中から選べば絶対に失敗がない。

目次

入門用サムコンパス&リストコンパス

Ra-Shin コンパス
  • 磁針カプセル:直径40mm
  • サイズ:W40mm×L67mm×H11mm
  • 重さ:16g
  • 特徴:左右どちらの指にも装着可能

 登山用のコンパスといえば、磁針カプセルに透明なプレートがセットされた「ベースプレートコンパス」が定番である。登山用のコンパスはベースプレートコンパス一択だと認識していた。

 しかし、オリエンテーリング大会やナビゲーションスキル検定に参加し、今までの認識がくつがえされた。

Ra-shinのメリット

トレイルランニングやハイキングにも使えるコンパス【Ra-Shin】の紹介と使い方

10代の頃からシルバコンパスを使ってきた。 コンパスといえば「シルバ No.3」に代表されるベースプレートコンパスが主流であり、多くの登山者やハイカーが利用していることだろう。 コンパス=ベースプレートコンパス。 この認識を改めさせられたのが、 初めてのオリエンテーリング大会である。競技経験者が使うのは、親指に装着するシンプルなサムコンパスであった。 ...

 Ra-shinは、地図とコンパスの使い方を基本からじっくり学びたい人におすすめである。日本オリエンテーリング界のレジェンド、村越真氏により開発された。

 コンパスの基本機能は北が分かることで、Ra-shinはその1点に特化している。

 山中でのナビゲーションでは、道の方向(方角)や地形(尾根、谷など)の方向をコンパスで確認することで、現在地を把握したり、進行方向を決めたりする。

 逆に言えば、ナビゲーションでは特徴物の方向が分かれば(ほとんどの場面で)事足りるということだ。北が分かることで、おのずと道の続いている方向や、尾根の伸びている方向がわかる。

 これらの情報をもとに、現在地を確認し、進行方向を決める。このことは、ナビゲーションスキル検定に参加したことで深く理解できた。

 Ra-shinにはベースプレートや回転リングなどの機能がないため、方向の読み取りに集中できる。くわえて、指に装着して常に方位を確認できるため、地図の整置が簡単にできる。

 整置とは、地図とコンパスの北を合わせることで、地図読みの基本スキルである。詳しくは下記を参考に。

地図読みとナヴィゲーションはこうやって覚える!ナヴィゲーション講習・スキル検定シルバーレベルで学んだこと - Takashi Blog

Ra-shinのデメリット

 雪山登山や、バリエーションルート登山をやりたい人はベースプレートコンパスを選ぼう。

 Ra-shinには、ベースプレートや回転リングがないため、直進が難しい。雪山では、時として視界の効かない状況で目標地点へ進む技術が必要である。

 同じく、道がない場所や見通しの悪いヤブの中を直進するには、ベースプレートと回転リングによる「角度メモリー機能」が欠かせないからだ。

 また、ベースププレートがないため、定規のように使って地図に磁北線を引くことや、長い距離を測ることができない。(3cmまでは測れる)

 Ra-shinの詳しいレビューはこちらも参考に。

トレイルランニングやハイキングにも使えるコンパス【Ra-Shin】の紹介と使い方 - Takashi Blog

Ra-shinの販売先はこちら

 Ra-shinは登山用品店では手に入らないため、ナビゲーションスポーツ専門店で購入しよう。

シルバリストコンパス Beginもおすすめ

  • サイズ:直径38mm×高さ10mm
  • 質量:約13g

 Ra-shinと同じ性質のコンパスに「シルバ リストコンパス Begin」がある。これは手首に装着して使用するコンパスで、自転車に乗ったり、ストックを握っていたりしても使えることが特徴だ。地図とコンパスの距離が遠くなるためやや精度に欠けるかもしれないが、こちらもおすすめである。

created by Rinker
SILVA(シルバ)
¥2,658 (2020/07/10 06:01:23時点 Amazon調べ-詳細)

シルバの定番ベースプレートコンパス

シルバコンパスNo.7NL

created by Rinker
SILVA(シルバ)
¥2,000 (2020/07/10 06:01:24時点 Amazon調べ-詳細)

  • サイズ:76X51mm
  • 重さ:22g
  • 耐温度:-20~60℃

シルバ No.3 Black

created by Rinker
SILVA(シルバ)
¥2,750 (2020/07/09 16:04:12時点 Amazon調べ-詳細)

  • サイズ:54X108mm
  • 重さ:33g
  • 耐温度:-40~60℃

 登山用コンパスの定番といば「シルバコンパス」だろう。シルバはスウェーデンのメーカーで、1933年に液体封入型コンパスを発明した。それ以来、世界中のアウトドア愛好家やオリエンテーリング選手、さらに、軍隊や測量士からも愛用されている。

コンパス

「シルバコンパスNo.7」と「シルバNo.3」は、地図とコンパスを使ったナビゲーションや、山座同定などの方位角測定など、山岳レジャーに必要な機能がそろっている万能コンパスだ。

 登山を趣味として長く続けたい人や、山座同定(遠くに見える山の名前を同定すること)、クロスベアリング(現在地把握の方法)やコンパス直進などをゆくゆくは覚えたい、そんな人におすすめである。

 ちなみに、シルバコンパスNo.7とシルバNo.3の違いは、ルーペの有無とサイズである。より軽量でコンパクトなモデルがいい人はNo.7を。ルーペが必要で、より本格的にコンパスの使い方を覚えたい人はNo.3を選ぶといい。

ベースプレートコンパスのメリット

コンパス

 ベースプレートコンパスを選ぶ最大のメリットは、コンパス直進の精度が高いことである。ベースプレートで地図上の現在地と目的地を結び、回転リングに方角を記憶させることで、高い精度で直進できる。

 この機能は、雪山でのナビゲーションやバリエーションルートに欠かせない。ナビゲーションスポーツでは直進時に活躍する。

 また、ベースプレートを定規のように使うことで、磁北線を引いたり距離を測ったりもできる。山座同定やクロスベアリングも可能だ。

ベースプレートコンパスのデメリット

 ベースプレートコンパスのデメリットは、操作に両手が必要であることと、慣れないと操作が複雑で、磁針に集中できないことだろう。

 例えば、地図とコンパスの基本である整置は、コンパスの北と地図の北を合わせるだけなのだが、慣れないとベースプレートの向きや回転リングの向きに惑わされる。操作が複雑なぶん、コンパスの基本、北をさすことに集中できないことがある。

 まずコンパスの基本操作から覚えたいという人は、先に紹介したRa-shinやリストコンパスBeginをおすすめしたい。

番外編:ミラーコンパスとオリエンテーリング競技用コンパス

ミラーコンパス

 最後に紹介するコンパスは少し特殊で、一般登山道を歩くハイカーやトレイルランナーにはオーバースペックかもしれない。まぁ私にとってもオーバースペックなのだが、アマゾンを眺めながらついうっかり注文してしまった。参考程度にご紹介しよう。

SUUNTO MC-2

  • サイズ:65 x 101 x 18mm
  • 重さ:74g
  • 偏角の補正:調節可能
  • 傾斜計メモリ:0 ± 90°
  • 耐温度:-30℃~+60℃

 「SUUNTO MC-2」は、ミラーや傾斜計を装備した多機能コンパスである。方位角計測や直進を多用する人向けにおすすめで、高度なナビゲーション技術が必要なルートに挑戦する、上級者向けのコンパスである。

ミラーで方位角を正確に読み取れる

ミラーコンパス

 ミラーコンパスの最大の特長は、方位角を正確に読み取れることである。

 先に紹介したシルバのNo.3やNo.7でも方位角は読み取れるが、誤差が大きい。その点、ミラーコンパスは照準に目標物をとらえながら、同時にミラーで方位を読めるため、より正確に測定できる。山座同定や、目標物から現在地を把握するクロスベアリングなどの精度が高まるだろう。

SUUNTO AIM-6

created by Rinker
スント(SUUNTO)
¥8,175 (2020/07/10 10:17:04時点 Amazon調べ-詳細)

  • サイズ:80 x 70 x 11mm
  • 重さ:27g
  • 方位メモリ:AIMセクター
  • 磁針:ネオジム磁石を使用した高速フォリオ磁針
コンパス

 「SUUNTO AIM-6」は、オリエンテーリング競技用のコンパスである。Ra-shinと同じくサムコンパスで、直進用のプレートや、回転式カプセルが装備されている。回転式カプセルは角度表示ではなく、AIMセクターによる位置確認を採用している。特筆すべきは磁針のスピードだ。

競技用高速フォリオ磁針

コンパス

 このコンパスを初めて手にした時は感動した。磁針の動作、止まりが格段に速いのだ。

 例えば、シルバ No.3は精度も高く安定しているが、素早く方向転換すると、磁針がワンテンポ遅れてゆっくりと北で静止する。もちろんハイキングやトレイルランニングでは十分な精度とスピードである。

 だが、1秒でもタイムを削りたいオリエンテーリング競技では、コンパスが北を指すまでの時間さえもおしい。コンパスが北を示してくれないと、次に進むべき方向が決められないからだ。

 「AIM-6」は、素早く方向を転換しても磁針が体の動きに追従し、一瞬で北を指してピタッと止まる。ブレない。進路決定が一瞬でできる。

 このコンパスの性能を最大限に活かすには、優れた走力とナビゲーション力が必要だろうが、私にはまだまだ扱えそうにない。それでも、磁針の動きは使っていて本当に気持ちがよく、オリエンテーリングの大会や練習で愛用している。

地図とコンパスは持っているだけでは意味がない

 以上が、私が愛用しているおすすめのコンパスだ。もしコンパス選びに迷ったら「Ra-shin」「リストコンパスBegin」「シルバコンパスNo.7」「シルバコンパスNo.3」の中から選べば間違いがない。

 ただし、コンパスや地図は持っているだけでは役に立たない。ましてや道に迷ってからコンパスを取り出しても手遅れである。

 登山やトレイルランニングなど、山に出かける人は日頃からコンパスを活用し、ぜひ使い方を覚えてほしい。

 地図とコンパスの使い方を覚えるには、読図講習会などでプロに教わることが一番だが、それが難しい人は関連記事や書籍も参考に。

この記事で紹介したアイテムはこちら

created by Rinker
SILVA(シルバ)
¥2,658 (2020/07/09 19:36:24時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
SILVA(シルバ)
¥2,750 (2020/07/09 16:04:12時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
SILVA(シルバ)
¥2,000 (2020/07/09 16:04:13時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
スント(SUUNTO)
¥8,175 (2020/07/09 16:04:14時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
¥1,045 (2020/07/09 18:26:49時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
¥2,090 (2020/07/09 16:04:15時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

\この記事はどうでしたか?/

-ハウツー, 道具
-

© 2020 Takashi Blog Powered by AFFINGER5