手拭

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日本古来の速乾タオル『手拭(てぬぐい)』が手放せない理由

2020年7月9日

 日本には古来より受け継がれてきた素晴らしい道具がある。漆器、金工、曲げわっぱ、足袋、扇子、日本刀……。ぱっと思いつくだけでも多様な道具を挙げられるが、その中から、私が旅先や日常で愛用しているのが手拭だ。

 山中でも街中でも、手を拭ったり額の汗を拭ったりするための布巾は欠かせない。多くの人はタオルやハンカチを利用していることだろう。だが、手拭の良さに気がついてしまってからは、すっかり虜になった。手拭は乾くのが速く、薄くかさばらない。魅力はこの点に尽きる。

 日本大百科全書(ニッポニカ)によると、手拭は古くから用いられてきたが、使用頻度が多くなったのは平安時代からだという。上層階級が儀礼用に、被り物として使用していたのだ。素材は主に麻が用いられたが、江戸時代の中期から木綿が取って代わり『手拭』と呼ばれるようになった。明治以降、文明開化とともにタオルやハンカチが流入し、日本古来のものは時代遅れという風潮から、廃れる傾向にあったという。

 しかし、手拭の良さをもう一度見直してみよう。特に、山を歩く人にとって『乾きが速くかさばらない』ことの恩恵は大きいはずだ。

手拭
一般的なタオルと比較して、手拭はかさばらず乾きが速い。

 手拭を使った後は、水で洗って適当に干しておく。夜に干せば、室内干しでも翌朝にはしっかり乾いてる。木綿は吸水性もよく、大汗をかいても吸い取ってくれる。夏場の野外なら、昼休憩時に日当たりの良い場所に広げておけば、出発時にはもうカラカラである。

 タオルの弱点はかさばること。自宅で使う分には大した問題ではないが、装備を少しでも軽くコンパクトにしたい旅では、手拭に分ある。手や汗を拭い、温泉ではタオルがわりになり、首や頭に巻けば日差しを遮ってくれる。手拭ひとつあれば、”布”が必要なあらゆる場面をまかなってくれるのだ。

 そんなわけで、私の旅のバックパックには2~3枚の手拭を忍ばせている。旅先の土産屋で、新しい手拭を物色するもの楽しみのひとつだ。

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Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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