ポメラ

文具

ポメラDM200レビュー|パソコンがあるのにポメラを購入した理由

2019年10月1日

 連絡、インターネット検索、SNS、地図、電子マネー、カメラ。

 今やスマートフォンが一台あればさまざまな事ができる。スマートフォンをフル活用して、種々雑多の業務をこなすビジネスマンも多いことだろう。

 いや、もはや「スマートフォンがあれば、PCやその他のデバイスは必要ない」という人もいるかもしれない。

 しかし、多機能であることが必ずしも”ベスト”とは限らない。手元にある『ポメラDM200』がそのことを教えてくれた。

目次

ポメラDM200とは

ポメラ

 ポメラは、文具事務用品大手の(株)キングジムから発売されるテキスト入力専用マシンである。

 キングジムといえば、オフィスで見かけるブルーの圧型ファイルで国内の圧倒的シェアを誇ることで有名だ。そのキングジムが、2008年11月にポメラ初代機を発売した。

 商品化以前の社内会議では「文字入力しかできないこと」に数々の議論がなされたようだ。しかし、あえて機能を絞り込んだことが大きな反響を呼び、以来10年で販売累計30万台を超えるヒット商品となった。

 DM200は、2016年10月に発売された次世代型のポメラである。これまでのテキスト入力機能を強化しつつ、新たに無線LAN機能を搭載し、PCやスマートフォンとのデータ共有を容易にした。

パソコンがあるのにポメラを購入した理由

ポメラはテキスト入力専用マシン

 このような経験はないだろうか。

 PCを起動して仕事を始める。To doリストを確認しながら「午前中のうちに、ここまで進めよう」と算段を立てた。

 しかし、仕事に取りかかった矢先にSNSとメール受信の通知が画面端でキラリとひかる。視界に通知を認めた以上、内容が気になる。返信の早さは美徳のような気もする。

 仕方なくメールを確認し、SNSのタイムラインを一通りチェックしつつ「この動画面白そうだな」とシェアされた動画を楽しむ。

「はぁ~キャンプ動画、癒やされるわ~」

「なになに……うーむ、日韓関係はこの先どうなるのだろう」

「おっ、次の週末はこの山に出かけてみようか」

「そうだ、メールに返信しなければ」

 ――いやいや。仕事のためにPCを起動したのにこのザマだ。

 ポメラの魅力はテキスト入力しかできないことである。

 WEBブラウザを搭載していないから、PCのように通知が入ることもなく、ネットサーフィン沼にはまることもない。アプリを立ち上げて、うっかりゲームを始めることもない。

 ポメラを起動させれば、ただ書くしかないのだ。

辞書を搭載:簡易電子辞書としても使える

ポメラ

 購入前にポメラのレビュー記事を漁っていた。その中で「辞書機能はおまけ程度であるから、期待しないほうがいいよ」といった意見も見受けられた。

 辞書は私にとって必需品である。国語辞典や類語辞典を数冊に、表記方法を調べる記者ハンドブックも欠かせない。仕事で外出する時は、PCと数冊の辞書がバックパックに収まっている。

 もしポメラの辞書が使えれば、荷物をぐっと減らせると目論んだ。レビューを見る分には、辞書に過度の期待はしないほうがいいのだろうか。

 購入していざ使ってみると、私の心配は杞憂に終わった。十分に使える。

 ライターと一口に言っても色々な仕事がある。その中で、私はWEBライターとしてアウトドア分野や靴関係の文章を納品したり、WEBコンテンツを作成したりするのが主な仕事だ。

 WEBメディアは不特定多数の人が閲覧するものだから、誰にでも分かりやすく、平明な文章を書くことが求められる。文芸作家が書くような格調高い文章は求められないし、そもそも書けない。辞書を引かないと分からないような、難しい言葉も使わない。

 そのような場合、ポメラに内蔵されている『明鏡国語辞典MX』や『角川類語新辞典.S』に収録されている語句で十分に対応できる。ポメラで執筆しながら、ちょっと気になった語句は内蔵の辞書ですぐに調べられる。

 ポメラを手にした今、バックパックはずいぶん軽くなった。

優秀な変換機能

 ライターに限らず、報告書や業務メールなど、文章を書く人にとっての心配事のひとつが誤字・脱字だ。誤りのある文章を送ってしまい、恥ずかしい思いをしたことがある人は少なくないだろう。

 DM200には、ポメラ向けに最適化された専用のATOKが搭載されている。従来機と比較して語彙数が3倍に増え、パソコン版ATOKと同等の機能を有しているのだ。

 そのおかげで、タイピングを少々間違ったとしても、前後の文脈から予測し、正しく変換してくれる。これだけで誤字・脱字を減らせるというものだ。おかげで、クライアントからのフィードバック連絡メールを開く時のドキドキを、少し軽減できた。

自宅でもカフェでも膝の上でも場所をとらないサイズ

ポメラ

 ポメラを手に入れるまでは、愛用の13インチMacBookAirで文章作成をしていた。十分に軽くて薄く、持ち運びも苦ではなかった。

 しかし、ポメラを手にした今、ポメラのサイズ感に惚れてしまった。

 MacBook以上にコンパクトで軽く、ポメラを片手に立ったまま入力するなんて芸当も軽々とこなせる。それでいて、17mmのキーピッチを確保したキーボードは入力しやすく、7インチのワイド画面は長文でも編集しやすい。

 デスクはもちろん、ソファーに座った膝の上でも、電車の中でも、枕元でも場所を選ばず入力できる。起動時間も4.5秒とPCに比べれば爆速である。

 特に恩恵を感じるのが、スペースの限られるカフェでの作業時だ。基本的には自宅で仕事をしているが、集中したい時はカフェで作業する。決して広いとは言えないカフェのテーブルに、MacBookとメモ帳やノートを広げると、もうスペースにゆとりがない。トレーに載ったドリンクはどこに置けばいいのか。

 その点、ポメラのサイズならスペースにゆとりができる。作業スペースがごちゃごちゃせず、視界に余計な物が写らない。作業場がすっきり片付いていると、気持ちにもゆとりができるものだ。

ポメラのいまいちな点

 ポメラはテキスト入力専用マシンとしては、完成の域に達しているのではないだろうか。それでも、少し気になる点がある。それは、せっかく搭載された無線LAN機がいまいち使いにくいことだ。

 細かな操作方法の説明は割愛するが、目玉機能の『ポメラSync』の使い勝手がもう少しよければ最高だった。現段階では、接続に時間がかかり操作が煩雑なところが残念だ。無線LAN機能を搭載するなら、ドロップボックスやグーグルドライブとスムーズに連携できてほしかった。

 もうひとつの無線LAN機能『アップロード』は、作成したテキストをGmailにメール文書として転送する機能だが、こちらは多用している。作成した文章をGmailに手軽にバックアップがとれる他、Evernoteのアドレスに転送も可能だ。

 しかし、PCからポメラにデータを転送したい時にポメラSyncが使いにくい。けっきょくUSBケーブル経由でデータ転送している。

 個人的には、無線LAN機能を省略することで価格を抑えられるなら、そうしてほしいと思う。ポメラの性質上、無線LAN機能は必須ではない気がする。USBケーブルやマイクロSDカードでデータのやりとりができればいい。49,800円という本体価格も、購入を躊躇させる要因であったのだ。

日々長文を書く人は購入して損なし

 思えばずいぶん前から『単機能の製品が、多機能製品より使い勝手が上回ることがある』ことを知っていた。例えば、もっとも信頼できるアウトドア道具は、余計な機能を取り除いたシンプルなものであることのように。

 ポメラDM200はテキスト入力専用マシンである。ネットサーフィンや便利なアプリのダウンロードはできないが、あれこれ誘惑されることなく、執筆に集中できる点が素晴らしい。内蔵される辞書を活用すれば、ポメラだけで文章作成ができる。

 場所に囚われず、ポメラさえあればそこが仕事場となる。

 断言する。日常的に長文を書く人は、ポメラを購入して損はない。

created by Rinker
キングジム(Kingjim)
¥35,636 (2020/07/10 03:27:18時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

\この記事はどうでしたか?/

-文具

© 2020 Takashi Blog Powered by AFFINGER5