ひげそりに悩む世の男性諸君に朗報をお届けしたい!
この記事を読めばもう高級な電動シェーバーやランニングコストがバカにならない多枚刃カミソリに頭を抱えることはない。
そう、シンプルでクラシックな、昔ながらのステンレス両刃カミソリがすべてを解決してくれるのだ。それどころか、使い慣れれば朝のシェービングタイムが楽しみの時間へと変わるだろう。
さらに、サスティナブル(持続可能)なステンレス鋼はその役目を終えた後も100%再生利用される。コストがかからず、お財布にも環境にも優しいステンレス両刃カミソリを、もはや使わない理由がないのである。
目次
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僕は長らくフェザー社製カミソリ「ポピュラー」を愛用してきた。1932年創業の日本のカミソリメーカーが製造する両刃カミソリだ。樹脂製ハンドルの安価な製品ながら必要十分な性能を持ち、旅先で一度紛失したが、再び購入し愛用してきた。
しかし、ここへきて手入れが悪かったのか、サビや水あかでボロボロになってしまった。そこで、オールステンレス製の両刃カミソリに買い換えた次第だ。
ステンレス両刃カミソリ|Mekur(メルクール)34C

僕が選んだのはメルクール「34C」というモデル。 100年以上、両刃カミソリを製造し続けているドイツの老舗メーカーの製品である。
オールステンレス製の両刃カミソリであり、シンプルな構造は壊れる心配もなく、大事に使えば一生もの、いや、孫の代まで使えるかもしれない。

マイルドなそり心地が好印象
ポピュラーのカリカリとした鋭い刃の当たり方に比べると、メルクールは非常にマイルドで、後で解説する基本のシェービング手順に従えば、カミソリ負けの心配もいらないだろう。
本体は適度な重みがあり、その重さで自然にそれるため、余計な力がいらない。それでいてしっかり深ぞりでき、ひげの濃い僕でも大丈夫だ。抜群のそり心地に加え、特筆すべきはそのランニングコストの安さである。
格安なランニングコスト、替刃1枚15円!

両刃カミソリのランニングコストは替刃による。僕が選んだ替刃は Astra Superior Platinum(アストラ スペリオール プラチナム)の100枚入り。よくあるプラスチックケースは使われていない、紙パッケージ入りの替刃だ。
その驚きのランニングコストは次のとおり。
- 100枚入り¥1,499円(2021年2月)
- 1枚あたり¥15円
- 仮に月に1枚交換すると8年と4ヶ月分
100枚まとめて購入すれば、2週間おきに交換しても4年はもつ。ちなみに5枚刃のランニングコストの例をあげてみよう。
- Schick(シック)ハイドロ5 替刃 (4コ入)
- ¥2,288円(2021年2月)
- 1枚あたり572円
- 上記アストラの38倍の価格
多くの多枚刃カミソリは2週間での交換を推奨している。そうするとひと月あたり1,000円以上かかる計算だ。
替刃の交換方法

まず本体を分解しよう。

分解した本体に替刃をのせる。

本体にカバーをセットする。

ハンドルのネジを締めて交換完了だ。
ステンレス両刃カミソリは多枚刃カミソリに劣るのか
もちろん僕も5枚刃カミソリを使ったことがあるし、確かに使い心地はいい。それは認めよう。
では価格差の分、安価な両刃カミソリの性能が劣るのだろうか……いや、そんなことは決してない! 両刃カミソリはしっかり深ぞりでき、別名「安全カミソリ」であるから、気をつければ肌をスパッっとやってしまうこともない。それに多枚刃カミソリは替刃がプラスチックゴミになるではないか。
両刃カミソリのデメリットは電動シェーバーに比べると時間がかかることぐらいだろう。しかし、大人なら朝にゆっくりとシェービングをたしなむぐらいの余裕を持ちたいものである。
ウェット・シェービングの基本手順

両刃カミソリについて知ってもらったところで、ウェット・シェービングの手順を解説したい。これにはシックの動画をご紹介しよう。用意するものは両刃カミソリとシェービングブラシ、石けん、シェービングカップだ。
- ひげをぬらす、蒸しタオルでむらす
- シェービング カップに石けんを用意する
- ブラシに石けんをとり、顔に泡立てる
- 順ぞりから逆ぞりへ
- ローション等で保湿する
乾いたひげは銅線と同程度の硬度があるから、そのままだと上手くそれない。まずは温かいお湯や蒸しタオルでぬらし、ひげをやわらかくする。
カップに石けんを用意し、ブラシで顔に泡立てる。カミソリの重みで、力まず自然に上から下にそっていこう(順ぞり)。
さらに深ぞりしたいときは、あご下から頬にかけて逆ぞりを行う。最後に水で顔を洗い、ローション等で保湿する。
ホルダーのメンテナンスも忘れずに
もともとサビに強いステンレス鋼とはいえ、使用後のメンテナンスも確実に。使用後は本体を水でよく洗い、しっかりと乾かしておこう。これだけで替刃の持ちがよくなる。
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ステンレス両刃カミソリで環境問題に貢献を
両刃カミソリの実用性や魅力を分かってもらえただろうか。これでもまだ使い捨てカミソリや多枚刃カミソリを使いますか?
枚数がどんどん増え、コストがバカにならない替刃。それに、あごのラインに沿うボールヘッドだって? そんなものに僕は必要性を感じない。だいたい、使い捨てカミソリや多枚刃カミソリは肌に優しいかもしれないが、環境には全然優しくないのだ。
使い捨てカミソリはプラスチックごみ
2020年11月4日、カミソリや包丁、各種刃物を扱う貝印(東京・千代田)が、使い捨てカミソリの脱プラスチックに向け、ハンドル部分に紙を使用した「紙カミソリ」を来春、世界に先駆けて商品化すると発表した。これを軸に、2030年までに使い捨てカミソリ分野でのCO2排出量の半減を目指すという。
同社はカミソリだけで年間約1900トンのプラスチックを使用している。使い捨てカミソリのハンドルを紙製にすることで、98%のプラスチック削減につながるという。
ホテルのアメニティーでたった一度の使用で捨てられるカミソリや、プラスチックが使われている多枚刃カミソリの替刃は、プラスチック汚染の原因のひとつである使い捨てプラスチックだ。
さらに、プラスチックの製造に世界の石油の4%が、そのエネルギーとしてさらに4%の石油が使用されている。製造工程や焼却処分に二酸化炭素が排出されており、プラスチックごみ問題は気候変動問題とも切り離せない。
環境に優しいステンレス
他方、ステンレスはリサイクルが容易で環境に優しい素材だ。
ステンレス協会によると、ステンレスは貴重なメタル資源を効率よく利用し、省エネルギーと排出物の削減に努めながら生産されているという。
ステンレス製品はもし寿命が来ても廃棄物にはならず、ほとんどが品位を低下させることなく回収・再利用される。ステンレスは、スクラップとして80~90%が回収されており、回収したスクラップはほぼ100%再生可能であるのだ。実際に、ステンレス製品の60%はリサイクル原料で製造されている。
まとめ
以上のように、クラシックなステンレス両刃カミソリは丈夫で耐久性が高く、使い心地も申し分ない。一生ものの本体は¥5,000〜¥6,000で手に入り、替刃のランニングコストも格安だ。再生可能なステンレスはサスティナブルな素材である。
もう一度尋ねよう。
これでもまだ、ランニングコストが高く、プラごみが発生する使い捨てカミソリ・多枚刃カミソリを使いますか? これらは少なくとも僕にとっては価値が見出せないもの。そんなものに1円たりとも払うつもりはないのである。