脱プラスチック、プラ製歯ブラシの代替品|オーガニック竹歯ブラシ

脱プラスチック 竹歯ブラシ

 持続可能な暮らしを目指すべく、我が家では妻と協力して使い捨てプラスチックの削減に取り組んでいる。次に目をつけたのが、歯ブラシだ。
 
 自宅での消費に加え、旅行や出張先で、ホテルのアメニティーとして使い捨てられるプラスチック歯ブラシ——。一説には、世界で年間約36億本にものぼる歯ブラシが消費されているという。けっこうバカにならない数字だ。満足できる代替品はないものだろうか。

 そこでたどり着いたのが、日本のメーカー「株式会社 豊和」が手がける「オーガニック竹歯ブラシ」である。

目次

使い捨てられるプラスチック歯ブラシ

 世界で年間どのぐらいの歯ブラシが消費されているのだろうか。残念ながら公式なデータは見つからなかったが、The Humble Co.(ハンブル:スウェーデンのオーラルケアメーカー)や、ご紹介する MiYO-organic-によると、年間約36億本の歯ブラシが消費されているという。

 自宅で1〜2ヶ月間使う、あるいはホテルのアメニティーとしてたった1度だけ使われ、捨てられる歯ブラシが、世界中にあると言ってもいいだろう。

 現在、研究が進められているプラスチック汚染問題は、その製造に必要な原料やエネルギー、焼却処分時に発生する二酸化炭素の影響など、気候変動との関連性も指摘されている。やはり、さしあたって必要のない、一瞬で使い捨てらるプラスチックは減らすべきものだろう。

 プラスチック製品が大半を占める歯ブラシにだって、脱プラスチックに貢献できる代替品がある。それが竹製の歯ブラシだ。

MiYO-organic-のオーガニック竹歯ブラシ

 僕が選んだのは「株式会社 豊和」が手がけるMiYO-organic- のオーガニック竹歯ブラシ歯ブラシである。名古屋発、オーガニックのアメニティー用品を開発するブランドだ。オーガニック竹歯ブラシにはこのような特徴がある。

脱プラスチック 竹歯ブラシ
  • 完全オーガニック製法(漂白剤・防カビ材不使用)
  • 超音波と紫外線で殺菌消毒を行っている
  • 日本人の口腔サイズに合う小さめヘッドで磨きやすい
  • 素材:無添加竹(孟宗竹を使用)ナイロン6(BPAフリー)
  • サイズ:全体18cm、ヘッド2cm
  • 産地:中国

 注文日の翌日には商品が届き、実際に試しているところだ。

大手ネット通販サイトの怪しい竹歯ブラシ

 竹歯ブラシを探すにあたり、大手ネット通販サイトで「竹歯ブラシ」を検索してみた。すると中には、どうにも疑わしい商品がヒットするではないか。
 検索のためのキーワードを商品名に羅列していたり、”自然分解”とか”エコ歯ブラシ”といった環境に優しそうなキャッチコピーを並べたりしているが、一体どこのメーカーの商品なのだろう。おそらく翻訳機能のものだろうが、不自然な日本語での商品説明なんて、とても信用できたものじゃない。

信頼できる製品を賢く選びたい

 情報過多の時代、それを受け取る側のリテラシーが問われる。ネットの世界は、企業が運営しているサイトだから安心、などということはまったくないのである。自称メディアをうたう根拠のないランキングサイトや、情報まとめサイトがその典型例だ。

 僕にとっては、MiYO-organic-の公式サイトや株式会社豊和へのインタビュー記事が信頼の担保となった。

 公式サイトによると、出張先のホテルのアメニティ歯ブラシが、たった1回使っただけで捨てられてしまうという事実に疑問を感じ、サスティナブル(持続可能)なアメニティーを開発すべく、MiYO-organic-が設立されたという。

 当初は国内製造を考えていたが、日本には竹製品の売れる市場がなく、日本の竹は適切に管理されていない。そこで管理の行き届いた中国の竹、100%オーガニックの孟宗竹を使用し、同じく管理された中国の工場で生産されている。このことがインタビュー記事から分かった。

 これだけ情報があれば十分だ。持続可能性に挑戦する、日本の企業を応援したいと僕は考えたのだ。

オーガニック竹歯ブラシの使い心地

 竹歯ブラシの実際の使い心地はどうだろう? いくら環境に優しくても、使い勝手の悪い商品を継続して使おうとは誰も思わないだろう。しかしこの点は何ら心配することなく、快適に使用できる。

 口の中に入れると竹の感触が心地よく、歯ブラシはプラスチックが当たり前だったから、この感覚は新鮮であった。

 竹は地上植物の中でも成長力の早い、循環性資源である。適切に管理し、有効に活用すれば持続可能な再生資源となるため、現在注目されている素材だ。

 今まで使っていた歯ブラシが薄型ヘッドだったためか、初めての使用時は、少々大きくごわつくように感じた。だがそれも一回目のときだけで、すぐに慣れた。

1本290円をどう考えるか

 日本で手に入るオーガニックな竹歯ブラシはまだまだ選択肢が少ない。環境問題に積極的な欧米メーカーのものもあるにはあるが、送料込みで1,000円を超えるものも珍しくない。さすがに1本1,000円の歯ブラシには手が出なかった。

 そんな中、MiYO-organic-のオーガニック竹歯ブラシは1本290円で手に入る。
 それでもプラスチック歯ブラシに比べれば少々割高ではあるが、こう考えよう。これまでが、あまりにも無自覚に安価なプラスチックを使い捨ててきたのだ。

 我が家の場合は2ヶ月おきに290円×2本。これは選ぶ価値がある。

紙パッケージ

脱プラスチック 竹歯ブラシ

 MiYO-organic-のパッケージには、容器包装プラスチックが1mmも使われていない。防水や緩衝材としてのプラスチックは一切なく、過剰包装されがちな昨今のネット通販商品と違って、好感が持てる。本気で脱プラスチックを考えているのだろう。ちょっとしたことから企業の理念や取り組みを垣間見れるというものだ。

毛先はナイロン製

脱プラスチック 竹歯ブラシ

 オーガニックをうたう竹歯ブラシではあるが、残念ながら毛先はナイロン製である。つまり柄の部分は土に還るが、毛先は分解されない。

 とはいえ、本体だけでも竹製とすることで、不要なプラスチックの削減に貢献しているのではないか。願わくは、毛先も含め、全体が土に還る素材でできた歯ブラシの製品化を。

 さて、捨てるときはどうしようか。
 歯ブラシとしての役目を終えたら、まず掃除道具としてリユースする。廃棄するときは先端だけ切り離して、コンポストの中で分解させてみよう。試行錯誤が必要だ。

個人でできる小さな取り組みをコツコツと

 2021年1月24日の読売新聞に掲載された記事を読んで、僕は言葉を失った。

図らずも昨年、移動自粛などの影響で世界の二酸化炭素(CO2)排出量が前年比で7%減少するという推計が出た。実はこの割合は、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」で定められた努力目標の達成のために毎年CO2を削減すべき値と同じだ。つまりこのペースで削減を続けられれば、産業革命前から今世期末までの世界の平均気温上昇を1・5度に抑えられる見通しになる。

引用:読売新聞:[サイエンスHuman]温暖化対策 「水」の視点で訴え 沖大幹さん56

 コロナ禍で経済活動が大幅に縮小、あるいはストップした2020年で、やっとパリ協定の目標を達成できるというのだ。気候変動という途方もない問題の大きさを思い知り、しばらく頭の中が真っ白になった。

 気候変動と関連があるプラスチック汚染問題だって、プラスチック歯ブラシを竹歯ブラシに変えればただちに問題が解決するようなことは、決してない。問題の解決には社会の大変革が必要とされる。

 では個人レベルでできることは何もなく、ただ手をこまねいて、企業や国家が何とかしてくれるのを待つしかないのだろうか。

 いや、実情を知ってしまったからには、僕はできることから行動したい。知識を得たら、それを生かさねばならない。

 結局、僕たち一人ひとりにできることは以下の3点だ。

  • 使い捨てプラスチックを減らす
  • 必要なプラスチックは繰り返し使い続ける
  • 捨てるときは処理ルートにきちんとのせる  

 そしてもうひとつ、持続可能な社会を目指し、挑戦している企業の製品を選ぶ・応援するのも、これからの社会を考える上の、ひとつの選択肢ではないだろうか。使う側にも責任があることを、忘れてはならない。

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