須磨アルプス 馬の背

須磨アルプスの登山ルート|名勝【馬の背】を渡るスリル満点ルートのご紹介

 兵庫県神戸市の背後にそびえる六甲山は、関西でも屈指の人気を誇る低山である。その中でも、六甲山最高峰から有馬温泉へと続く『芦屋川コース』や日本三大夜景で知られる『摩耶山』、それに日本とは思えない非日常感が味わえる『須磨アルプス』が人気で、休日には多くの登山客でにぎわいを見せている。

 須磨アルプスは、花崗岩むき出しの岩稜帯を歩くスリル満点のコースだ。ここでは、六甲山域に数百回の登山経験があるアウトドアライターが『名勝・馬の背」』を渡る、須磨アルプスのおすすめコースをご紹介しよう

目次

須磨アルプス〜馬の背〜板宿〜登山ルートの概要

  • 歩行距離:約7.5km
  • 歩行時間:約3時間
  • 難易度:初心者・ファミリー向けコース

 須磨アルプスは全体的によく整備された初心者向けのコースだ。おそらくスタート直後の長い階段と、栂尾山(つがおやま)直前の400段階段が難所であろう。もしスタート後の階段がつらい場合は、須磨浦公園からロープウェイで山上まで登る手もある。

馬の背の通過には注意!

 初心者向けのコースではあるが、須磨アルプスの核心部は風化が激しく、歩行には注意が必要だ。特に馬の背は両サイドが切れ落ちた尾根で、人ひとり分の細い道を歩く。雨天時や強風時は特に注意したい。

 とはいえ、十分に気をつけて歩けば難しい道ではない。初心者や家族連れでも楽しめるコースである。

服装・必要な持ち物

  • 軽登山靴、もしくはよく履き慣れた運動靴
  • 季節に応じた防寒着
  • レインウエア
  • 地図とコンパス、もしくはスマホの登山地図アプリ
  • 飲み物
  • お弁当や軽食(須磨浦公園に売店あり)
  • 必要であれば入浴セット

 よくグリップする軽登山靴が理想だが、履き慣れた運動靴でも問題はない。ただし須磨アルプスの核心部で滑ると危険だ。靴底の磨り減った靴は避けよう。

 尾根沿いを歩く道は夏場でも風が吹くと冷えることがある。たとえ真夏でも、風をさえぎる上着は携帯しておこう。雨予報でなくともレインウエアは必須であり、防寒着としても使える。登山の服装や持ちものについては下記を参考に。

 今回紹介するコースに限らず、六甲山域は分岐が非常に多い。登山道の他に、地図にはない作業用の小径が縦横無尽に走っている。道迷い防止に、登山地図やスマホ登山地図アプリは必須である。

須磨アルプス〜馬の背〜板宿ルートガイド

 須磨浦公園駅から須磨アルプス、板宿までのルートを詳しくご紹介しよう。

須磨浦公園〜旗振山

須磨浦公園駅

 須磨浦公園駅の改札から西に向かい、緩やかな坂を登ったところが登山道の入り口である。

旗振山

 いきなり急な階段が連続し、階段を登るたびに後悔してしまう。

 「また来てしまった」

 この階段は、宝塚まで続く六甲山全山縦走路への入り口であり、なんだかんだで登り始めが一番きついのだ。

 運動習慣がない人は階段で参ってしまうかもしれない。そんな時は、振り返って後ろを見て欲みよう。

 標高はわずか200m足らずだが、登山道からは瀬戸内海の素晴らしい景色が広がっている。須磨浦ロープウェイの山上駅の展望台へはぜひ立ち寄って欲しい。

旗振山
須磨浦ロープウェイ展望台からの景色。

 六甲山はひと山登るたびに海の景色を望み、都会の景色を望む。海、街、山が身近だからこそ望める、六甲山ならではの楽しみだ。

 階段を登りきったところで、森林の中の登山道へと進む。時折、地面から飛び出ている杭(くい)には注意したい。いったん高度を下げ、登りかえしたところが旗振山である。

旗振山〜鉄拐山〜高倉台〜栂尾山(つがおやま)

旗振山

 旗振山は、六甲山域の最西端の山である。
 江戸時代、大阪の米相場を西国に伝えるための『旗振り通信』の中継地とされたことから、旗振山と命名された。

六甲山 旗振山

 山頂には茶屋があり、テラスから西には明石海峡大橋や淡路島が、東には神戸の市街地と海の展望が広がっている。眺望を十分に楽しんだら、全山縦走路を東に進もう。

登山地図
登山地図やスマホ地図アプリを必ず携帯しよう。

 ここからは分岐が多く、このコースを歩き慣れた私でも間違うことがある。現にこの日も、道が分からず困っていたハイカーから道をたずねられた。登山地図やスマホ地図アプリでコースを確認しながら進みたい。

鉄拐山
鉄拐山からは360度の展望が広がる。

 旗振山から20分ほど歩くと、鉄拐山への分岐に突き当たる。鉄拐山へは登らなくても先に進めるが、頂上からの展望が実に素晴らしい。余力のある人は登ってみよう。

六甲山 おらが茶屋
おらが茶屋手前の展望台。先の白い建物がおらが茶屋。

 おらが茶屋を過ぎ、長い階段を降りると高倉台の住宅街である。せっかく登ったのに降りてしまうなんて、なんとも理不尽に感じるが、これが縦走というものだ。

六甲山 須磨アルプス
下りてきた住宅街では補給ができる。

 住宅街には自販機やコープがあるので、ドリンクや軽食の補給をしておこう。

栂尾山〜横尾山〜馬の背〜東山

栂尾山

 住宅街を抜けると、縦走路名物の『400段階段』が待ち受ける。下から見えない先にさらに階段が続いており「もうすぐだ!」という期待を、毎回いとも簡単にへし折られる。

 途中にベンチがあるからゆっくり休憩しながら登ろう。来し方を振り返ると、登ってきた旗振山を望める。

400段階段からは、通過してきた旗振山を望める。

 「けっこう頑張って登ってきたではないか」

 そう思えるはずだ。

横尾山

 階段を登りきり、細かなアップダウンを乗りこえ栂尾山〜横尾山と進んでいくと、いよいよ須磨アルプスへさしかかる。この先は風化が激しく、雨天時や強風時は注意が必要だ。

 鎖場を慎重におり、岩場を降りていくと、目線の先には神戸とは思えないような風景が広がっている。

須磨アルプス
須磨アルプスの核心部に到着。

 標高約300m、住宅街のすぐそばにこんな景色が広がっているなんて!

須磨アルプス 馬の背

 踏み跡を探しながらゆっくりと進むと『名勝 馬の背』の道標が現れる。

須磨アルプス
馬の背を渡る。足を滑らせないよう慎重に進もう。

 名前の通り、馬の背のように切り立った崖の上を歩くのだ。道幅はすれ違えるほどの余裕はない。混雑時はゆずりあい、安全に通過したい。

 馬の背を通過し、5分ほど歩いた場所にはベンチがある。休憩適地で、馬の背を歩いた緊張感をほぐすにはちょうどいい場所であろう。

東山〜板宿八幡神社〜板宿駅

東山

 馬の背から歩くこと約10分、最後の登りを登ると東山に到着である。標高は353m。振り返ると、通過した須磨アルプスの全体を見渡せる。

 ここからは全山縦走路に分かれを告げ、板宿方面に進路をとる。板宿駅までは約1時間の道のりだ。この先は歩きやすいハイキング道だが、やはり分岐が多い。再度、地図で確認しながら進んでいこう。

板宿八幡宮
板宿八幡宮が登山道の終点。

 約50分で板宿八幡神社に到着し、そこが登山道の終点だ。ゴールの板宿駅は目前である。

須磨アルプスの立ち寄り湯:菊水温泉

  • 住所:〒653-0041 兵庫県神戸市長田区久保町6丁目1−15 :グーグルマップ
  • 電話番号:078-611-4754
  • 営業時間:14:00〜0:00
  • 定休日:水曜
  • 料金:大人(中学生以上)430円〜

 登山の後の楽しみといえば温泉だろう。今日の山歩きに思いを巡らせながら、汗を流してさっぱりしよう。

 板宿駅から南に徒歩20分に位置する『菊水温泉』がおすすめである。料金も安く設備も綺麗だ。

 菊水温泉の湯は、軟水装置により軟水(単純アルカリナトリウム水)に変えたもので、軟水につかっているだけで毛穴の汚れを落とす効果があるのだそうだ。皮膚の自然治癒能力の向上も期待できる。
 菊水温泉では、軟水を全浴槽、シャワー、カラン全てに使用している。下山後の楽しみにぜひ立ち寄りたい。

須磨アルプスへのアクセス

  • 行き:JR『須磨駅』下車→山陽電鉄『山陽須磨駅』乗り換え→須磨浦公園駅:グーグルマップ
  • 帰り:板宿八幡神社から徒歩→山陽鉄道および神戸市営地下鉄『板宿駅』:グーグルマップ

須磨アルプス登山ルートまとめ

 須磨アルプスのハイキングコースは、よく整備された登山道を歩く、初心者や家族連れで楽しめるコースである。

 ただし、須磨アルプス馬の背は歩行に注意し、分岐が多いので必ず地図やスマホ地図アプリを携帯したい。夏場でも上着一枚は忘れずに。この記事を参考に、さっそく週末に出かけてみよう。

※この記事の情報は、2019年執筆当時のものです。

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