ポンポン山

旅レポ

【ポンポン山】古刹を巡るおすすめ登山ルート・アクセスのご紹介

2019年11月22日

 ポンポン山という山名を初めて耳にしたとき、失礼ながらそのユニークな名前を冗談かと疑ってしまった。本来は加茂勢(かもせ)山と呼ぶのだが、山頂で四股を踏むとポンポンと音がしたことから、ポンポン山と名付けられたといわれ、関西のハイカーに親しまれている。

 ポンポン山は大阪と京都の県境にそびえ、大阪側には神峯山(かぶさんじ)と本山寺、京都側には善峯寺(よしみねでら)の古刹がある。大阪や京都からのアクセスも良好でありながら、自然も豊かだ。

 手元のガイドブックによると、善峯寺の桜が見事な春と、本山寺の紅葉が美しい秋が適期とあるではないでか。ならばと思い立ち、ある秋の晴れた1日、ポンポン山ハイキングに妻と2人で出かけてきた。

ポンポン山の登山ルート概要

  • 歩行距離:約13km
  • 歩行時間:4〜5時間
  • 難易度:初心者向けコース

 ポンポン山の前後に長い舗装路歩きを含むため、夏場は辛いだろう。適期はガイドブックにあるように春と秋である。コース上に危険箇所はなく、距離こそあるものの、初心者でも気軽に歩ける。

古刹を巡る、ポンポン山登山ルートのご紹介

ポンポン山 ハイキング

 原立石のバス停で下車し、牛地蔵の鳥居をくぐって神峯寺を目指す。神峯寺は七福神のひとつとされる毘沙門天(びしゃもんてん)最初の出現地とされている。秋には300本ものカエデが色付くようだが、この日はまだ紅葉の見頃には早いようだった。

神峯山寺

 バス停を後にし、本山寺を通過するまでは長い舗装路が続き、夏場は暑く辛いかもしれない。だが、秋や春の気候が良い季節には、田園や里山の風景を望みながらの散歩を楽しめる。

ポンポン山 ハイキング
左手奥の結界をくぐると本山寺。

 神峯寺を後にし、川久保への分岐を見送って林道を歩いていく。徐々に高度を上げながら、結界をくぐると本山寺に到着である。本山寺は京都の鞍馬寺(くらまでら)、奈良の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)とともに「日本三毘沙門天」とされる。登山道脇の夫婦杉は一見の価値ありだ。

ポンポン山 ハイキング

 いよいよ本山寺から未舗装のハイキング道を歩く。針葉樹林に囲まれた気持ちのよい道だ。妻と会話をしながらのんびり歩いていく——。と、突然目の前のしげみから獣の動く音がした。物音からそれが鳥類ではなく4足動物であることが分かった。ポンポン山は熊の生息域だ。地図を持つ左手がじわりと汗ばんだ。

 次の瞬間、勢いよく飛び出してきたのは、ニホンジカであった。驚いたのは私ではなく、むしろシカのほうだった。猫のように背筋をそらせ、こちらを警戒している……。そして、急いで写真を撮ろうとカメラに手を伸ばした時には、大きく跳躍して走り去ってしまった。神戸の六甲山の人慣れしたイノシシとは対照的な反応だ。だが、これが野生動物本来の姿であろう。

 ポンポン山を含む北摂山地には、野生のニホンジカが生息している。大阪の中心地から30分程度でアクセスできる山に、ニホンジカが生息できる自然が残っていることはうれしく思う。

 その一方、大阪府によると生息域が拡大することによる農林業被害も増加しているようだ。人と自然の共存には、人の手が必要である。「私が所持する狩猟免許も、北摂地域なら役に立つかもしれないな……」そんなことを考えながら尾根道を登っていった。

ポンポン山 ハイキング

 稜線からの見晴らしは、ハイカーにとって一大事であろう。だが、ポンポン山の稜線は、残念ながら眺望が良いとはいえなかった。樹林帯のハイキング道は木々に視界をさえぎられてしまう。それでも気持ちよく歩けるのがポンポン山の魅力だ。

 ゆっくりと色づき始めた木々や、鳥のさえずりがハイカーを楽しませる。急登や危険な下りはないが、適度なアップダウンが飽きさせない。そして、尾根からの眺望がないぶん、山頂からの好展望がより一層まぶしく見えるのだ。

ポンポン山

 尾根をいったん外れ、階段を登った先で視界が一気に開けた。ポンポン山山頂に到着である。テーブルやベンチがいくつか設置され、すでに何組かのハイカーが休憩していた。ちょうど県境に位置する山頂からは、京都・大阪両方面を望める。

ポンポン山 ハイキング

 標高はわずか679mだが、大阪平野を流れる淀川や街並みがミニチュアのように見える。空気が澄んでいれば、あべのハルカスや京都の愛宕山まで見渡せるという。山頂からの風景を楽しみながら、ゆっくりと昼食をいただいた。

善峯寺
善峯寺はほのかに紅葉が始まっていたいた。

 下山は標高630mの釈迦岳(しゃかだけ)を経由し、京都側の善峯寺へと下る。善峯寺は西国三十三所のひとつで、広大な庭園は一見の価値があると聞く。私はバスの時間の都合上、拝観しなかったが、余裕があれば立ち寄りたい。

 善峯寺を後にし、小塩のバス停へと向かう途中、畑の脇に人だかりができていた。何かと思ってのぞいてみると、無人販売所であった。見ると、形こそ整っていないものの、色ツヤのよいナスやカブ、白菜などが並んでいる。しかもスーパーの半値ほどだ。ナスをひと袋買って、妻と2人で「いいお土産ができた」と喜んだ。

 こういう山歩きの前後の楽しみも、低山ハイキングの魅力だろう。お土産のナスは、その夜に天ぷらにして美味しくいただいた。ひとくち食べるごとに、ポンポン山での1日が思い出された。

ポンポン山登山の服装と持ち物

  • 軽登山靴、よく履き慣れた運動靴
  • 季節に応じた防寒着
  • レインウエア
  • 地図とコンパス、もしくはスマホの登山地図アプリ
  • 飲み物
  • お弁当や軽食
  • 必要であれば入浴セット

 雪がなければ、よくグリップするハイキングシューズや運動靴、それに動きやすい服装であれば大丈夫。冬季は雪に覆われることもあるため、防寒対策は念入りに用意したい。ルート上に自動販売機や水場はないため、特に夏場は水分を多めに用意しておこう。また、コースには道標が設けられているが、ポンポン山に至るコースは複数ある。道迷い防止のために地図は必須である。

ポンポン山へのアクセス

行き

  • JR高槻駅〜約20分:220円〜原立石バス停
  • JR高槻駅〜約20分:220円〜上の口バス停

原立石バス停が最寄りだが、上の口バス停行きの本数が多い。上の口バス停から原立石バス停歩いても10分かからない程度だから、どちらに乗車しても大差はない。

帰り

小塩バス停〜JR向日町駅または阪急東向日:約30分・330円

帰りのバスの最終時間は、平日が15時台、土曜・日祝が16時台だから、乗り過ごさないように気をつけよう。

※記事の情報は2019年11月時点のものです。

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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