京都北山 山旅

京都の名峰【比叡山】紅葉狩りハイキング

2020年11月30日

 比叡山は、京都府民はもちろん関西近郊のハイカーにとっても親しみ深い山である。山頂からの絶景や延暦寺での歴史観光など見どころには事欠かない。

 比叡山を訪れるなら何と言っても紅葉の季節がおすすめだ。ここでは、雲母坂から比叡山を目指す人気コースのハイキングレポートをお届けしたい。

目次

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比叡山の概要

  • 距離:約12km
  • コースタイム:約5時間
  • 難易度:初級
  • コース:修学院駅〜雲母坂〜ケーブル比叡駅〜大比叡〜延暦寺〜日吉大社〜JR比叡山坂本駅

 比叡山は京都市街から北東に大きくそびえる、京都の人にとってなじみ深い山のひとつだ。標高は848.1m。京都市と滋賀県大津市の境界をなし、山頂には天台宗の総本山・延暦寺を抱く。

 山頂部は平坦面が多く、東の大比叡(おおびえい:848.1m)と西の四明岳(しめいだけ:838m)の二峰に分かれ、四明岳の展望台からの眺めが絶景だ。

 比叡山のハイキングコースは多数あるが、今回は人気のある雲母坂から歩いてきた。

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比叡山のハイキングレポート

 広場からの素晴らしい眺めに思わず息をのんだ。

 比叡山・四明岳から北側を望むと、大原の街の奥に、皆子山をはじめ京都北山の稜線がどこまでも連なっていた。見渡す限り山、また山。青空に浮かぶ雲が、すごいスピードで移動しているのが分かる。

 広場にはその展望を楽しめるようベンチが設置され、冷たい風に吹かれながらもそこを休憩場所とした。

 なぜもっと早く訪れなかったのだろう——。ここは僕の知る限り、関西近郊の山々の中で一二を争う展望が広がっていたのだ。

修学院駅から比叡山へ

 レトロな2両編成の列車に揺られ、叡山電鉄「修学院駅」に到着したのが午前8時30分だった。メンバーとの集合時間までをコンビニコーヒをすすりながら時間を潰す。

 今回のコースは、雲母坂から比叡山へと登り、大比叡、延暦寺を巡って滋賀県側に下る。ゴールはJR比叡山坂本駅だ。

 修学院をスタートし、鷺森神社(さぎもりじんじゃ)の紅葉を見学してから雲母坂へ向かう。

雲母坂登山口。

 比叡山は標高848.1mの低山ながら関西有数のハイキングスポットであり、全国区の山と言っても過言ではないだろう。やはり山頂の延暦寺の存在が大きい。

 雲母坂はその延暦寺に、京都側から続く最古の道であり、叡山の僧兵が強訴のときもこの坂を下ったとされている。延暦寺への勅使参向にも用いられたため、勅使坂とも呼ばれるという。(※参考:日本大百科全書)現在はハイキング道として整備され、大勢の観光客やハイカーが訪れる人気のコースだ。

 雲母坂のハイキング道は道幅が広く、よく整備され大変歩きやすい。コース途中から京都一周トレイルと交わるため、おなじみの丁寧な道標が設置されている。これなら初心者でも安心して歩けるだろう。

京都一周トレイルの道標には、丁寧に地図が記載されている。

 道中の展望もなかなかのものだった。

 登山口から雲母坂の稜線に出てしばらく歩くと送電線の鉄塔があるが、ここからの眺めが実によい。岩倉の街並みや、京都西山方面の展望が開けている。京都西山の山塊の中で、ぽっこりと頭を突き出している山は愛宕山だろうか……。もう少し標高を上げ、ケーブル比叡駅から確認してみることにした。

休憩地点からの展望。

 ケーブル比叡駅に到着したのが午前11時10分。修学院からかなりゆっくりと歩いたが、それでも約2時間で比叡山山上にたどりついた。さっそく山と高原地図を取り出して山座同定を試みる。

 山座同定とは、遠方に見える山が何という山かを同定するコンパスワークのテクニックであり、遊びのひとつでもある。山を登っていると「あの遠くに見えるピークは何だろう」と疑問が湧くことが多々ある。そんなとき、山と高原地図に収録されている広域地図が役に立ち、コンパスと併用して山の名を調べるのだ。

 コンパスで調べたい山の方位を計測し、それを地図上で確認すると——やはり先ほどの山は愛宕山だった。

 山座同定はコンパスワークの練習になるし、遠方の山の名前が分かることは面白いものだ。疑問が解消されたことで納得した僕は、晴々とした気持ちで次のポイントへと向かった。

ケーブル比叡駅の展示。
大比叡には三角点があるのみ。

 四明岳で昼食休憩をとり、大比叡へと向かう。大比叡は比叡山の最高峰なのだが、それはドライブウェイ脇のひっそりとした丘の上にあった。メンバーで記念撮影をして延暦寺へと進んだ。

延暦寺

森閑とした延暦寺の登山道。

 延暦寺は言わずと知れた仏教の聖地だ。788年(延暦7年)に最澄により薬師像が安置されたことを起源とする、天台宗の総本山である。

 登山道から延暦寺の境内に入ると厳かな空気に包まれ、立派な御堂が姿を現した。

 最澄と空海、この二人の僧侶が唐から持ち帰ったのは密教だけではない。土木建築技術もそのひとつだ。空海が改修した香川県・満濃池(まんのういけ)に用いられた「余水吐き(よすいはき)」と呼ばれる技術は、現代のダム建設技術にも通用するという。

 延暦寺の根本中堂や大講堂をはじめとする数々の建築物は、おそらく当時の最先端技術の結晶であり、その意匠には一流の技が込められているのだろう。僕に古建築の知識があれば感動もひとしおなのだろうけれど、残念ながらその知識を持ち合わせていなかった。

ケーブル延暦寺駅から琵琶湖を望む。

 延暦寺をしばし観光し、後は坂本ケーブル沿いの登山道を下るのみである。ケーブル延暦寺駅からコース最後の展望を楽しんだ。琵琶湖の遠方には伊吹山が堂々とした姿でたたずんでいた。

 麓の街が近くと、グラウンドで練習に励む球児たちの声が聞こえてきた。ゴールは近い。

道中、真っ赤な紅葉の絨毯。

 もうじき枯れ葉がはらはらと舞う季節が訪れるその前に、日吉大社の紅葉が、落葉前の最後の輝きを放っていた。

比叡山へのアクセス

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Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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