大阪府の最高峰『金剛山』は、夏は涼、冬には樹氷と四季折々の魅力あふれる関西の名峰である。金剛山のメインルート『千早本道』には多くの人々が行き交い、回数登山も盛んだ。
今回は金剛山の千早本道と、稜線を走るダイヤモンドトレイルを縦走してきた。その様子をご紹介したい。
金剛山とは
- 歩行距離:約16km
- コースタイム:約7時間
金剛山は大阪と奈良の府県境にある大阪府の最高峰である。金剛山地の主峰であり、その標高は1125mを誇る。
最高地点は山頂にある葛木神社の境内にあり、立ち入ることはできない。山頂広場が事実上の山頂と言っても差し支えはないだろう。
冬は樹氷が有名で、雪山ハイキングの入門コースとして、夏は涼を求めて多くのハイカーが訪れる。鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した楠木正成の城跡や史跡が点在し、四季折々の花々と共に見どころが満載である。
また、稜線上には縦走路があり、全長45kmにおよぶ『ダイヤモンドトレイル』が走っている。登山コースは複数あるが、今回はもっとも人気のある千早本道で山頂を目指し、ダイヤモンドトレイルと繋げて歩いてきた。
金剛山〜ダイヤモンドトレイル縦走コース

私が所属する山岳会『青雲会』の活動がようやく再開した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため長らく活動を自粛し、約2ヶ月ぶりの山行例会に参加してきた。
この日は本来、夏山登山のための歩荷訓練であったが、私も含めたほとんどのメンバーが練習不足である。荷物は軽めとし、約15kgの装備を担ぎ、金剛登山口を出発した。





金剛山への登山道のうち、もっともポピュラーなコースが千早本道であろう。よく整備された登山道は歩きやすい。老若男女問わず多くのハイカーが行き交う。
難点は階段が連続するところだが、メンバーと談笑しながら登っていれば、約1時間30分ほどで山頂に到着した。


急登を登り終え、山頂で一休み。葛木神社への参拝をすませ、ダイヤモンドトレイルを南に進む。目指すは紀見峠だ。





ダイヤモンドトレイルは大阪・奈良・和歌山の府県境に位置する山々の主稜線を結ぶ山岳トレイルだ。北は二上山から始まり、大和葛城山、金剛山、岩湧山など金剛山地の名峰をつないで歩く。全長は約45kmのうち、今回歩くのは金剛山から紀見峠まで。金剛山南尾根を南下していく。
この日は梅雨の中休みでよく晴れた。大阪府の最高気温は30度を超えていたが、標高1000m付近の稜線上は風が気持ちいい。
それでも自粛でなまった体には十分に歩きごたえがある道で、額に汗を吹き出しながらゆくっりと歩いていった。

中葛城山の手前、久留野峠からの急登が本コースの難所であった。金剛山からゴールの紀見峠までは下り基調であるが、久留野峠から中葛城山へは標高差約60mの尾根を直登する。そしてここの木段の1歩が大きく歩幅に合わない。じわりと疲労が溜まる。







行者杉で長めの休憩をとる。この場所はかつて、修験者の中継ポイントととして重要な役割をになっていたようだ。行者杉には広場があり、そこからは遠く奈良の街並みを見渡せた。ニコンD500、レンズの望遠端で山々の連なり狙う。

さて、ここまで歩けばゴールまでもうひと息だ。


西ノ行者堂を通過し、紀見峠を経てようやくアスファルト道へと出る。毎度毎度好きで山に出かけているのだが、やはりアスファルト道=人里に下りたときの安堵感は大きい。
約16kmの道のりを歩き、久しぶりに担いだ15kgの装備が肩に食い込いこんでいる。それでも金剛山へ登り、ダイヤモンドトレイルの稜線を歩いた爽快感は格別だった。
山はいいなぁ。駅前で購入したハイボールをぐぃと飲み干し、山の余韻とほろ酔い気分で帰途についた。
金剛山へのアクセス

- 往路:南海電鉄『河内長野駅』下車 南海バス→約30分→『金剛登山口』下車
- 復路:南海電鉄『紀見峠駅』