モンベル  トレッキングブーツ

道具

山旅に欠かせないモンベルのトレッキングブーツ

2020年7月8日

 トレッキングブーツの必要性を理解したのは最近のことだ。長らく、登山やハイキングの足元はブーツと相場が決まっていたが、トレイルランニングシューズやルナサンダルで山中を走ることもある私にとって、底が硬いギブスのようなブーツに必要性を感じなかったのだ。

 それがだ。ここ1年ぐらい、岩場あり沢歩きありと山旅のバリエーションが増え、また歩荷トレーニングのように重たい装備を背負うことも多くなり、ようやくトレッキングブーツの有り難みが分かってきた。

モンベル  トレッキングブーツ

 私が愛用しているのはモンベルのツオロミーブーツ。夏山縦走やトレッキングに対応する、ハイカットの3シーズンモデルである。

 約2年前、夏山から低山の雪山ハイキングに対応できるブーツを探しにモンベルを訪れた。いくつか試し履きをしたが、それまでトレイルランニングシューズをメインに履いた私にとって、デカく重たいトレッキングブーツは試着ですら苦痛でしかなかった。それでも信頼できるベテランスタッフに丁寧に選んでもらい、購入を決めたのだ。

 ツオロミーブーツは夏山登山に必要な性能を十二分に備えている。防水透湿性能はもちろんのこと、特筆すべきはモンベル が独自開発したソール『トレールグリッパー』だ。素材の配合と突起の配列パターンに特徴があり、接地面との密着性を高めている。特にぬれた路面でグリップ力を発揮し、一般的な登山靴と比べると約1.5倍滑りにくいという。

 山を歩く人なら、ぬれた木道や岩場、渡渉でスリップにおびえながら恐る恐る歩いた経験があることだろう。恐怖心から腰が引けるとかえって不安定な姿勢になり、その結果、尻もちをつくことになる。

 そういえば、ツオロミーブーツを履き始めてからの約2年間、このブーツで滑った記憶がない……いや、一度だけあったか。そのぐらいトレールグリッパーは地面をガッチリと掴んでくれる、頼もしいブーツだ。

 ソールが硬いから舗装路は歩きにくい。しかし、ひとたび岩場に入るとソールの硬さが輝きだす。この硬さのおかげで小さな足場にも爪先だけで乗れるし、地面からの突き上げを防いでくれる。傾斜の急な岩に乗っても滑らない。15kgを超える装備を背負うと、ソールの柔らかい靴ではだめだ。クッションがたわみ、足元が安定しない。

 岩場を三点支持で登り、ちょっとした沢を歩き、重たい装備を背負うと「なるほど、これがトレッキングブーツの良さか」と感心する。すると愛着も湧き、手入れにも力が入るというものだ。

 昨今は山道具が進化し、ひと昔前では考えられない軽い装備で山を楽しめるようになった。そのせいか、重たいブーツを嫌うような風潮も見受けられるし、状況によって、足元はローカットシューズでもかまわないと山雑誌で紹介されるようになった。私もそう思う。

 それでも、トレッキングブーツは登山の足元を支える道具として進化してきただけあって、一度足になじむと手放せない存在になる。山行を終えたブーツを手入れしながら、「さぁ次はどこへ行こうか」と、次の山旅を想像する時間は、なかなか良いものである。

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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