2020年1ヶ月から糖質制限をスタートして、2月現在で5kgの減量に成功した。登山の体作りの一環として始めたのだが、『マイナス5kgのダイエットに成功』という、うれしいオマケがついてきた。
ここでは、糖質制限に興味のある人のために、私の体験談と、エビデンス(科学的根拠)に基づいた糖質制限の理論や、その実践方法をご紹介しよう。
目次
糖質制限とは
糖質制限とは、食事の三大栄養素(炭水化物=糖質+食物繊維、タンパク質、脂質)のうち、血糖値を上昇させるのは糖質のみ、という原理に基づいた食事療法のことだ。
糖質を制限することで食後に血糖値が急上昇するのを防ぎ、インスリンの大量分泌を防ぐことが目的である。インスリンとは血糖値を一定に保つ役割を担うホルモンのこと。
詳しくは後述するが、実は人が肥満する原因にはインスリンが大きく関わっているのだ。
糖質制限は数日から10日で体に変化が起きる
だから、ここを読んで少しでも興味を抱いたら、10日ほど試してみてほしい。実際、10日もあれば目に見えて何らかの変化が起こるだろう。それで合わないと感じたらやめればいいだけだ。
引用:スピードハイク入門 片山 貴晴(著)
私の記録によると、糖質制限を開始したのが2020年1月9日。身長は178cmで、当時の体重は74kgだった。
それが10日後には72kgへと減り、2020年2月現在は69kgまで落ちた。約1ヶ月で5kgも減量できたのだ。
ちなみに、糖質制限を半年間続けた結果は下記を参考に。
私の場合、やせようと思って糖質制限を始めたわけではない。たまたま読んだ「スピードハイク入門 片山 貴晴(著)」で紹介されていたのだ。そこで、登山の体作りの一環として、食習慣を見直そうと考えた。
オフロードサイクリング選手のパフォーマンスに及ぼす、ケトン食(糖質制限食)の長期的な効果を検証した研究があります。(中略)安静時および低〜中強度の運動におていはケトン食のほうがパフォーマンスが高く、筋肉のダメージも少ないという結果が出ました。
引用:人類最強の「糖質制限」論 江部康二(著)
登山はまさに中強度の有酸素運動を長時間行うスポーツである。上記のように、登山中のパフォーマンスアップを狙えるかもしれない。そう期待して糖質制限を始めてみたわけだ。
今日の食事から糖質(米やパスタなどの主食)を抜いてみる。そして体に合わなければ元の食事に戻せばいい。この手軽さもよかった。
今のところ、私の体に糖質制限は合っているようだ。登山のパフォーマンス向上についてはまだ未知数だが、このまま続けて様子を見ようと思う。
登山のための体を作る具体的なトレーニング方法と糖質制限食
登山愛好家なら、誰しもが安全に快適に、余裕をもって山を楽しみたいと考えることだろう。山行のたびにバテてしまっては、せっかくの楽しみが半減してしまう。 そこで大切なのが、日常のトレーニングと健康的な食習慣だ。ここでは、私が実践するトレーニングと糖質制限食をご紹介しよう。 登山には、持久力や筋力、俊敏さ、柔軟性などさまざまな身体能力が求められる。 特に重要なのが、筋持久力と全身持久力である 。
糖質制限はなぜやせるのか
糖質制限がやせる理由は、糖質の摂取を控えることで血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの大量分泌をブロックできるから。そして、体脂肪が燃えやすい体質に変化するからだ。
インスリン=肥満ホルモンの大量分泌を防げるから
インスリンは血糖値を一定に保つ役割を担うホルモンで、糖質を摂取すると血液中の糖質をエネルギーとして取り込んでくれる。
それと同時に、余分な糖質を脂肪として蓄えてしまう。これが、インスリンが”肥満ホルモン”と呼ばれる所以である。
血糖値を上昇させるのは糖質のみであるから、糖質を摂取しなければインスリンの大量分泌は起こらない。インスリンが糖質を脂肪として蓄えるのを防げるのだ。
体脂肪が燃えやすい体質に変化するから
エネルギー源になるのは、食べてカロリーになる糖質、脂質、たんぱく質の3大栄養素である……(中略)……日常生活で主にエネルギー源になるのは糖質と脂質ですが、そのうち糖質を制限するとなると、消去法で脂質(体脂肪)が使われやすくなるのは当然のことです。
引用:人類最強の「糖質制限」論 江部康二(著)
糖質を摂らないことで体内の脂肪が燃えやすくなることも、糖質制限がやせる理由だ。
人体のエネルギー源には、糖質由来の「糖質+グリゴーゲン」と脂質由来「脂肪酸+ケトン体」の2種類がある。糖質制限により「脂肪酸+ケトン体」のエネルギーがメインに消費され、体脂肪の燃焼が活発になるのだ。
また、人には体内で糖質を合成できる『糖新生』というシステムが備わっている。
糖新生とは、体内の不要不急のたんぱく質を材料に、糖質(ブドウ糖)を生成する機能のこと。その糖新生にもエネルギーを必要とし、エネルギー源は体脂肪である。
このように、糖質制限では血糖値の急上昇による”肥満ホルモン”の分泌を防ぎ、体脂肪をエネルギーとして積極的に活用する。だからやせるのだ。
糖質制限の具体的な方法|食べていいもの控えるべきもの

糖質制限を実践するには、糖質を含む食品を食べなければいい。それさえ注意すればカロリーを気にする必要はないし、お酒だって選べば飲める。
糖質制限で食べていいもの、控えるべきものを簡単にまとめると、次のとおりである。
- 米・小麦(パンやパスタなど)・蕎麦:原則NG
- 砂糖が含まれるもの:NG
- 肉・魚・卵:OK
- 野菜:葉物はOK。糖質の多い根菜(カボチャ・芋類・ニンジン・レンコンなど)に注意
- キノコ類・海藻類:OK
- 果物:アボガド以外は果糖が多い。なるべく控える
- 乳製品:チーズはOK。牛乳は飲み過ぎに注意
- ナッツ類:OK(コーンやジャイアントコーンは控える)
- 酒類:醸造酒(ビール・日本酒など)はNG。 蒸留酒(焼酎・ウイスキーなど)はOK
- 参考:炭水化物が人類を滅ぼす 夏井睦(著)
私の場合、米や小麦、ビールはいっさいとらないが、野菜やその他の食品に含まれる糖質は——もちろん程度によるが——あまり気にしていない。
先に述べたが「今日から主食を抜いてみる」だけですぐに糖質制限を試せる手軽さがいいと思っている。それでも体の変化を実感できるはずだ。
主食を抜くなんてできない!という人は
今まで当たり前のように食べてきた主食を抜くなんて——。
主食をやめることが糖質制限の最大の難関と言えるだろう。パンやパスタならまだしも、日本人の魂と言っても過言ではない白米も控えるのだ。抵抗を感じて当たり前だと思う。
そんな時はゆるい糖質制限『プチ糖質制限』を試してみよう。
糖質制限の第一人者、高雄病院の江部康二先生は、糖質制限を次の3つに分類している。
- プチ糖質制限:夕食のみ主食抜き
- スタンダード糖質制限:朝食(または昼食)と夕食のみ主食抜き
- スーパー糖質制限:三食主食抜き
- 参考:財団法人 高雄病院
健常人のダイエットや健康のためには、プチ糖質制限食も有効です。これは1日3食のうち夕食だけ糖質制限をする方法です。
引用:人類最強の「糖質制限」論 江部康二(著)
スーパー糖質制限がもっとも効果的ではあるが、プチ糖質制限でもダイエット効果を期待できるだろう。
それでも難しい人は、糖質制限プログラム「NOSH – ナッシュ」 や気にせず食べてダイエット
を利用するのもひとつだ。どちらも糖質量を低く抑えつつ、バランスのとれた食事を自宅まで届けてくれる宅配サービスである。
もちろん、糖質を含む食品を自らが判断して、夕食だけでも控えることができれば、このようなサービスは必要ないのだが……。
ビールを我慢できない、白米も我慢できない、1食数百円の投資も難しい。そんな人は、もう諦めよう。
肥満のリスクとコンプレックスを抱えたまま生きていけばいい。それで私が困ることなど、いっさいないのである。
糖質制限まとめ
糖質制限とは、食事の三大栄養素のうち血糖値を上昇させるのは糖質のみ、という原理に基づいた食事療法のこと。実践すれば肥満ホルモン”インスリン”が大量分泌されず、体脂肪が燃えやすい体に変化する。
今日から主食を抜くだけで簡単に始められ、効果を実感できるスピードも早い。興味がある人は今日からさっそく試してみよう。ただし、持病のある人は医師への相談を忘れずに。