トラベラーズノート 文具

トラベラーズノートを最大限活用するために10分でできるメンテナンスの方法

2019年1月19日

 トラベラーズノートを購入したまま放ったらかしにしていないだろうか?

 シワ・傷など経年変化を楽しむノートではあるが、ひび割れたり、乾燥して柔軟性がなくなったりすると元も子もない。

 それを防ぐには、適切なメンテナンスを行い保革クリームを塗ることが大切である。メンテナンスをすれば、よりいっそう愛着もわき長く使えるノートに育つのだ。

 ここでは、元靴職人の私が10分でできるトラベラーズのメンテナンス方法をご紹介する。靴やかばんなど、その他の革製品にも応用できるので、ぜひ試してほしい。

目次

トラベラーズノートとは?

 トラベラーズのことを簡単に説明しておこう。すでにご存じの人は読み飛ばしてほしい。

 トラベラーズノートとは、日本の文房具メーカーMIDORI(ミドリ)が手がけたデザインノートである。牛革のカバーにゴムバンドを通し、シンプルなリフィルをはさむノートだ。

トラベラーズノート

 独特の風合いをかもしだし「旅に出かけたくなるノート」をコンセプトに2006年に誕生した。文房具好きに愛され、世界中に愛用者のいるノートなのだ。シンプルなノートだからこそカスタマイズ性に優れており、ポケット・ジッパーケース・ステッカーカスタムなど個性あふれる使い方が可能だ。

 シンプルなリフィルには、書き心地を追求して開発された「MD用紙」が採用されており、万年筆とも相性が良い。私は普段使いに、ありとあらゆる事を書き込むためのノートとして導入した。トラベラーズノートについてはこちらも参考に。

愛用者が教えるトラベラーズノートの具体的な4つの使い方

トラベラーズノートを購入したはいいが、何に使えばいいだろうか?  そのネーミングから旅行の記録用ノートだと思われがちだが、実はさまざまな使い道があり用途は自由である。しかし、自由だと言われると逆に悩んでしまう人も多いことだろう。  ここでは、トラベラーズノートを購入した人、これから購入したい人のために、トラベラーズノートの具体的な使い方をまとめた。 ...

トラベラーズノートに使われている革について

 トラベラーズノートのカバーには、タイ北部のチェンマイで加工された「牛革」が採用されている。それも、コストのかかる「植物タンニンなめし」で作られた革だ。植物タンニンなめし革の特徴は以下のとおり。

  • 硬さ・重さがあり丈夫である
  • 経年変化を楽しめる

 その頑丈さから、革靴の底に使われることが多い革である。さらに、トラベラーズノートの革はオイルをたっぷり含ませた「オイルレザー」で、表面に艶出しや塗装など特別な加工を施していない。素材そのものの風合いを楽しむ革なのだ。

「味」があるのと「汚れてくたびれた」状態は違う

 ただし、いくら経年変化を楽しむ革でも、ひび割れたり柔軟性がなくなったりすると元も子もない。使い込んで「味」があるのと、単に「汚れてくたびれた」状態は違うのである。

トラベラーズノートの基本メンテナンス方法

トラベラーズノート

 植物タンニンなめしのオイルレザーということを踏まえて、メンテナンス方法を解説しよう。

革の栄養とクリーム

 トラベラーズノートのメンテナンスに適したクリームは「ミンクオイル」である。トラベラーズノートに限らず、革製品のメンテナンスの基本は栄養分を与えることだが、具体的に「栄養分」とは何を指すのだろうか。

 答えは「水と油」である。水が含まれていることを意外に感じる人もいるかもしれないが、ようは人のお肌と同じように考えればよい。革もお肌も乾燥すると割れる。それを防ぐには、適切に水分と油分を与えてやればいいのだ。

 そのためのクリームも「水と油」でできている。ただし、水と油はそのままだと混ざらないため「乳化剤」を加えて、水と油をうまく混ぜたのが「保革クリーム」だ。

 そして、オイルレザーには保革オイルの中でも油分の多い「ミンクオイル」が、メンテナンスに適していることになる。

メンテナンス手順

 メンテナンスは以下の手順で進めよう。ポイントはクリームの塗り方にある。

  1. ブラッシング
  2. クリームの塗布
  3. 乾拭き

ミンクオイルは指で塗ろう

 まずはホコリや汚れを払う。靴ブラシがあればベストだが、なければ簡単に手で払えばよい。ある程度きれいになったところで、ミンクオイルを塗っていこう。ポイントは「指で塗る」ことだ。

トラベラーズノート

 ミンクオイルは油分が主な成分で、少し固めのクリームだ。そのままだと伸びが悪く、塗りにくい。そこで、指で塗ると体温でミンクオイルが柔らかくなり塗りやすくなる。その方が革にもよく浸透するのだ。

トラベラーズノート

 全体にまんべんなく塗り込んだら、ウエスでよく乾拭きをしよう。余分なクリームは汚れの原因になるからだ。ちなみに、この乾拭きの行程が靴磨きでいう「磨き」にあたる。

トラベラーズノート

 磨き終えたら、しっとりと潤ったトラベラーズノートを眺めながら悦にひたろう。磨き終えた革製品で1杯飲めるようになったら、あなたも上級者の仲間入りだ。

色付きクリームを使う時の注意点

 私は黒を選んだが、トラベラーズノートは茶・キャメル・ブルーも展開されている。使いこんで味が出てきたが、色落ちが気になるかもしれない。

 もし色落ちが気になったら、靴磨き用の色付きのクリームで補色しよう。手順は基本のクリームとおおむね同じである。

  1. ブラッシング
  2. クリーナーで汚れ・古いクリーム落とし
  3. クリームの塗布
  4. 乾拭き

古いクリームは「クリーナー」で落とそう

 注意すべきは、古いクリームや汚れをあらかじめ落とすことである。

靴磨きに使われるクリームには「ワックス」が含まれている。ワックスは艶をだすための「ろう分」で、塗り重ねると層がだんだん分厚くなり、やがて割れてしまう。厚化粧をしすぎた状態だ。

 よかれと思ったメンテンスが、かえって逆効果になってしまう。それを防ぐには、事前にクリーナーで古いワックスを落とすとよい。

瓶入りの乳化性クリームを使い、よく乾拭きする

写真のような、瓶入りクリームを選ぼう。引用:Amazon

 靴クリームといえば、よく家庭にあるのが「液体クリーム」だろう。容器の先にスポンジがついており、手早くメンテンスができる。ただし、これはトラベラーズには使ってはいけない。

 液体クリームで簡単に光沢を出せるのは「硬いワックス成分」による効果だ。オイルを含んだ柔らかい革とは相性の悪いクリームで、これもヒビ割れの原因になりかねない。

 もうひとつ気をつけたいのが、よく乾拭きすることである。色付きクリームには染料が含まれており、これが表面に残っていると白いシャツなどに色移りしてしまう。

 靴クリームでついた色汚れは、なかなか落ちないのでやっかいだ。心配な人は、無色のミンクオイルの使用のみに留めておこう。

リペアキット

ゴムひもを変えるだけで雰囲気をかえられる。カスタマイズにもおすすめ。

 トラベラーズノートも長く使っていると、ゴムバンドが傷んでくる。その場合はリペアキットを活用しよう。ゴムバンド、しおりひものセットで8色が用意されている。もちろんカスタマイズにも使える。

トラベラーズノートにおすすめのメンテンス用品

 トラベラーズに使えるおすすめメンテナンス用品をご紹介しよう。

COLUMBUS(コロンブス)ミンクオイル

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 日本のシューケア用品を代表する会社「コロンブス」から発売される定番のミンクオイルだ。トラベラーズノートに使われている「オイルレザー」と相性が良い。ワークブーツやアウトドア用品、野球のグローブなどにも使える。

M.MOWBRAY(エム・モウブレイ)デリケートクリーム

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 エム・モウブレイは欧州のシューケア用品トップブランドである。デリケートクリームは、は虫類などの特殊な革をのぞき、ほとんどの革製品に使用できる万能クリームである。ミンクオイルではオイルレザーに使用範囲が限定されるが、ほかの革製品にも使いたい場合は、デリケートクリームがおすすめだ。

M.MOWBRAY(エム・モウブレイ)ステインリムーバー

 同じくエム・モウブレイが発売する、万能水性クーリーナーである。「革に水分なんて大丈夫か?」と思うかもしれないが、革に水分は必要なので安心して使ってほしい。なかなか強力な汚れ落とし効果で、革の状態をきれいさっぱりリセットできる。ただし、色や栄養分までしっかり落としてしまうので、使用後には必ず保革クリームを塗ろう。

BootBlack(ブートブラック)BBクリーム

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 コロンブスが販売する靴クリームだが、その中でも高品質なシリーズである。通常シリーズに比べ、革の風合いを損なわずしっとりと仕上がる印象だ。色落ちを補色したい場合は、こちらのクリームがおすすだ。

トラベラーズノートリペアキット8色

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 トラベラーズノートのメンテナンスに使う、ゴムバンドとしおりひものセットだ。くたびれたバンドは、これで交換しよう。カスタマイズにもおすすめである。

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 しばらくは、カスタマイズなしにシンプルなノートとして運用していきたいと思う。使いこんだトラベラーズノートが、どのような表情を見せるのか、今から楽しみでしょうがない。

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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