私の朝のルーティーンにコーヒーは欠かせない。その日のニュースをチェックしつつ、一杯のコーヒーを味わいながら徐々に仕事モードに切り替えていく——。このような人は、私だけではないことだろう。
寝ぼけた頭をすっきりさせるには、手軽な缶コーヒーやインスタントコーヒーももちろんいいが、ドリップコーヒーも捨てがたい。
豆を挽いた瞬間に立ち上る豊潤な香りを知ってしまうと、「ひと手間かけよう」と思えてしまうのだ。
今回は、私がアウトドアや自宅で愛用している、モンベルの『O.D.コンパクトドリッパー』をご紹介したい。
わずか4g! モンベル『O.D.コンパクトドリッパー』

コンパクトに折りたため、繰り返し使えるエコロジーなコーヒードリッパー。それがO.D.コンパクトドリッパーの特徴であうる。重量はわずか4gで、クッカーセットの隙間に難なく収まる。
他社製ドリッパーの多くがペーパーフィルターを必要とするのに対し、モンベルのドリッパーはそれを必要としない。
約60マイクロメートルの目を持つマイクロ・メッシュ地でドリップすることで、旨味が凝縮されたコーヒーオイルを透過し、豆本来の味を楽しめる。
ドリップしたコーヒーは、オイルのおかげか、すっきり爽やかというより、まったりとした味わいになる。

ペーパーフィルターが必要ないとはいえ、野外で使うときはペーパーフィルターを併用したほうが、後処理が格段に楽である。
キッチンを使える自宅とは違い、野外での本体の掃除やゴミの片付けは、ペーパーフィルターを使わないと、なかなか面倒だ。
今日は自宅でのんびりしているが、せっかくだからアウトドア気分を楽しもうと、わざわざジェットボイルでドリップしてみた。
モンベル『O.D.コンパクトドリッパー』の使い方

レギュラーコーヒーを適量、コーヒーミルに投入する。

ふたを閉めてハンドルを軽く握る。そのまま、豆が挽かれる小気味いい感触を手に感じつつ、それがなくなるまで続ける。
コーヒーを挽き始めた瞬間、豆のいい香りに鼻を刺激されるはずだ。


ドリッパーをカップにセットする。
O.D.コンパクトドリッパーは野外での使用を想定している。そのため、セッティングにはその辺に落ちている小枝が必要なのだ。
なんともアウトドア道具らしいミニマルな設計で、私は好きだ。今日は室内だから割り箸で代用する。
ジェットボイルでお湯を沸かし、ドリッパーにお湯を注ぐ。これが困ったことに、普通にドリップするとお世辞にも快適とは言えないのだ。
コーヒーのハンドドリップはお湯の注ぎ方が大変に重要であるが、ジェットボイルの注ぎ口は、ケトルのようにお湯を狙ったところに細く注ぐのが難しい。そこで裏技をひとつ。

ジェットボイルの注ぎ口の反対側にある、小さな穴からお湯を注ごう。

こうすることで、ケトルのようにお湯を注げる。早朝の登山前、キャンプの朝、釣りを始める前の朝の一杯も、この方法ならジェットボイルとドリッパーで楽しめるだろう。
美味しいコーヒーをいれるコツ

お湯を注いでから30秒ほど蒸らす。お湯の量はだいたい粉と同じ分量だ。
蒸らすことで粉と粉の間に隙間が生まれ、コーヒーエキスを抽出しやすくなる。
後は”のの字”を描きながら優しくお湯を注いでく。ドリッパーに注いだお湯の量が少なくなったら、お湯がなくなる前に、またお湯を注ぐ。
お湯は粉の中心に注ぎ、ドリッパーそのものにお湯をかけないよう注意しよう。
適切なコーヒーの分量が抽出されたら、ドリッパーにお湯が残っていてもドリッパーを取り外す。
まとめ

今やコンビニでも美味しいコーヒーが手に入る。その味ときたら、100円とはとても思えない。でも私はわざわざコーヒーミルで豆を挽き、ひと手間かけてコーヒーを入れる。
私がいれたコーヒーよりコンビニコーヒーのほうが美味しいに決まっている。なのに自分でコーヒーをいれる理由とは——。
そんなこと、コーヒーを入れる時間が楽しいからに決まっている。
モンベルのO.D.コーヒードリッパーとジェットボイル、それにお気に入りのカップがあれば、コーヒータイムそのものが、また別の趣味の時間となってくれるのだ。
それは自宅での朝でも、野外での朝でも変わらない。少しの道具が幸せなひとときを約束してくれる。