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登山アプリはもはや常識!登山地図アプリを絶対に使うべき理由と使い方

 スマートフォンの普及により、誰でも簡単に登山アプリを使えるようになった。登山に登山アプリはもはや常識といってもいいだろう。

 もちろん万が一の故障や測位誤差などの注意点があり、紙地図との併用が必要ではある。スマホに表示された地図を確認し、どう行動するかは地図を読まなければならない。

 だが、登山アプリを起動すれば一発で地図と現在地を表示できるのだ。これを使わない手はないだろう。

 ここでは、ハイカーやトレイルランナーなど、これから山を楽しみたい人に向けて登山アプリの使い方をご紹介しよう。

目次

登山アプリを絶対に使うべき理由

 なぜ登山用GPSアプリを使うべきなのか。それは、山岳遭難の一番の原因が「道迷い」だからだ。

山岳遭難の原因の約4割は道迷い遭難

 山岳遭難の原因でダントツに多いのが道迷い遭難である。参考:警察庁

 上の地図は、関西の低山「六甲山」で発生した遭難事故を原因別にカテゴリーしたものだ。1番の道迷いがいかに多いことか。

 意外なことに、夏場の日本アルプスよりも身近な低山にこそ道迷いの危険が潜んでいる。

 低山には、登山道に加えて電力会社の巡視路や林業の作業道、獣道などが縦横無尽に走っており、地図にはない分岐が現れることもしばしば起こる。単純に、道が限定される高く厳しい山より迷いやすいポイントが多いのだ。

 だからこそ地図とコンパスを使い、現在地や進んできたルートを確認し道迷いを防止するのだが、読図は練習と経験が必要で、一朝一夕では身につかない。

 そこで登山アプリの登場だ。登山アプリを活用すれば、オフラインで高精細な地形図をスマートフォンに表示し、GPSにより簡単に現在地を知れる。

 GPSは、ひと昔前まで専用端末が必要で高価なものだったが、スマートフォンの普及により誰でも手軽に使えるようになった。これは使わない手はないだろう。

現在地を一発で表示できる

ジオグラフィカ
フィールドで登山用アプリ「ジオグラフィカ」を起動した。

 GPSとは全地球測位システムのことで、衛星から受信機(ここではスマホ)に信号を受け取り、現在地を知る方法である。

 登山アプリの利点は、GPSにより現在地を一発で表示できることだ。これは紙地図では不可能なことなのだ。

 私は地図読み練習を目的に山に出かけることもあり、その場合はあえて現在地を特定しにくいルートを選ぶ。慎重に地図を読み、地形と照らし合わせながら進むのだが「あれっ、どこだ!?」と一瞬迷うこともある。

 その場合は躊躇(ちゅうちょ)なくGPSアプリを起動する。山中で現在地を見失うと本当に怖い。

 そして、現在地を確認したら再び地図読み練習に戻る。登山用GPSアプリを、いわば答え合わせのように使っている。

登山用アプリは圏外でも使える!

「登山用GPSアプリって圏外じゃ使えないよね?」そう勘違いしている人もいるが、圏外でも使える。

 詳しい説明は省くが、通信用の電波とGPSの測位は別物で、電波の届かない場所でもGPSは使えるのだ。(衛星の信号が届かない場所・屋内やトンネル内などでは使えない)

 地図はあらかじめスマートフォンに保存してから使うので、圏外でも表示できる。

おすすめの登山アプリはこのふたつ!

 私が日頃から使用している、おすすめの登山用GPSアプリをご紹介しよう。

Geographica(ジオグラフィカ)

ジオグラフィカ
ジオグラフィカの表示画面。全国の地形図が表示できる。

 まずはジオグラフィカから。これは絶対に使うべきアプリである。

 ジオグラフィカは圏外でも使える登山用GPSアプリで、全国の詳細な地形図を表示できる。インターネット環境下で一度表示させた地図を自動でスマホに保存(キャッシュ)して、山中でも問題なく表示できるのだ。

 無料アプリながら、地図の表示はもちろん、ログの作成やルートの作成・案内も可能と高機能なアプリである。

 詳しくはジオグラフィカ公式サイトで確認しよう。

山と高原地図地図アプリ

山と高原地図アプリ
山と高原地図アプリ。ジオグラフィカが表示する地形図と比べて、登山に必要な情報が満載されている。

 昭文社が発行する登山地図の定番「山と高原地図」のアプリ版である。地図を購入し、スマートフォンにに保存して使用するので圏外でも表示できる。

 ジオグラフィカが表示する地形図とは違い、登山者に必要な情報が多く記載されているのが特長だ。例えば、水場や危険箇所の警告、トイレや下山後の温泉なども記載されている。

山と高原地図アプリを起動した状態。水色の矢印が現在地である。

 執筆者により毎年実踏調査が行われており、コースタイムや地形図にはない情報を得られるのが魅力だろう。そのため、登山計画の立案には欠かせない。

 ジオグラフィカと合わせてぜひ使いたいアプリである。詳しくは山と高原地図地図アプリの公式サイトを確認しよう。

 山と高原地図については、こちらも参考に。

トレイルランナーやハイカーが覚えておきたい登山地図の使い方

愛車ジムニーのコントロールが効かなくなったのは突然のことだった。 そこは兵庫県の砥峰高原(とのみねこうげん)。スズキの4輪駆動車で、単独の雪の林道走行を楽しんでいた時のことだ。 どうやら、雪に隠れた側溝に、前後輪ともタイヤをはめてしまったらしい。 考えられるあらゆる手を使って脱出を試みたが、らちがあかないし、人里離れた山奥に携帯の電波は届かない。 ...

登山アプリの使い方

 Geographica(ジオグラフィカ)を例に、登山用GPSアプリの使い方を解説しよう。

(1)キャッシュを読み込む

自宅やインターネット環境下で、目的の山域の地図を表示しておく。そうすると、ジオグラフィカでは自動で地図データをキャッシュ(保存)できる。

 登山アプリは地図データをあらかじめスマートフォンに保存して使うため、地図のダウンロード作業が欠かせない。それがキャッシュだ。

 キャッシュとは、一度表示させたデータを保存する機能のこと。ジオグラフィカの場合、インターネット環境下で地図を表示するだけで、自動で地図データがキャッシュ(保存)される。

 山中で地図を表示する時は、スマホに保存されたキャッシュからデータを読み込むので、通信は必要ない。だから圏外でも地図を表示できるのだ。

(2)フィールドで現在地を表示する

ジオグラフィカ

 キャッシュが終われば、あとは街で使う地図アプリと同じ感覚で使える。

ジオグラフィカ
赤い矢印が現在地を教えてくれる。

 ジオグラフィカを起動するだけで、自動で現在地を表示してくれる。分岐ごとに起動し、正しいルートを確認すれば安心だろう。

 トラックの作成やルート案内など、さらに詳しい使い方はジオグラフィカ公式サイトを確認してほしい。

登山アプリを使う上で気をつけたいこと

 便利で高機能な登山用GPSアプリだが、いくつか気をつけたい点もある。

バッテリー残量に注意・機内モードとモバイルバッテリーを用意

山中では余計な電力消費を抑えるために、機内モードにしておこう。

 まずバッテリーの残量には注意しよう。充電が切れたスマートフォンは何の役にも立たない。

 山中では余計な電力消費を抑えるために、機内モードにしておくこと。これだけでバッテリー残量をかなり節約できるはずだ。

 日帰り登山の場合、機内モードにした上で、GPSでたまに現在地を確認する程度なら十分バッテリーはもつ。だが、念の為にモバイルバッテリーを用意しておきたい。スマホはGPSアプリ以外にも、カメラやSNS共有、緊急時の連絡などで使うからだ。

 いざ緊急連絡やGPSで地図を確認したいときに、充電切れでは非常に危険である。

防水・防塵・耐衝撃に対応させる

 アウトドアで使う精密機器は、防水・防塵・耐衝撃に対応しているものが安心だ。保護ケースや保護フィルムでの対応もいいが、高耐久性能を持つスマートフォンがおすすめである。

 とくに重視したいのが防水性能。スマホを水没させると故障する。雨や汗からスマホを守る対策は必須だ。さらに落下防止のストラップがあれば安心だろう。

 私は防水・防塵・耐衝撃性能を備えたスマホ「Unihertz Atom(ユニハーツ アトム)」を愛用している。詳しくは下記を参考に。

世界最小タフネススマートフォンをトレイルランニングや登山におすすめする理由|【Unihertz】Atom

【Unihertz】Atom を、トレイルランニングや登山、アウトドア用途で使う観点からレビューしました。コンパクトで頑丈なボディーに、正確なGPSを備えたAtom は、アウトドアの強い味方になってくれるでしょう。

測位誤差や故障の可能性もある

 保護ケースで万全の対策を取っていても故障することがある。私は以前、高耐久スマホをうっかり落として画面を割った経験がある。いくら耐衝撃性能を備えていても当たりどころが悪いと壊れるのだ。

 さらに、GPSの性能は機種に依存している。なるべくGPS性能の高いスマートフォンを選ぶべきだが、それでも谷間や空の見通しが悪い場所は測位しにくく、誤差が生じる可能性がある。

 充電切れ対策にモバイルバッテリーを持ってきても、ケーブルを忘れたことがあった。故障や充電切れの可能性を、常に頭の隅に置いておきたい。スマートフォンは万能ではないのだ。

登山アプリがあれば紙地図は不要か?

地図とコンパス
A4用紙にプリントアウトした地形図とコンパス。

 結論からいうと、登山アプリを使用していても紙地図は必須である。

 基本的に登山アプリが教えてくれるのは現在地であって、その先どう行動するかは地図を読まなければならない。結局、登山アプリを使いこなすには読図の練習が必要なのだ。そして、読図の練習には紙地図とコンパスが欠かせない。

 紙地図とコンパスの利点の1つに、めったなことでは壊れないことが挙げられる。前述のように、精密機器であるスマートフォンは故障の可能性を拭えない。

GPSと紙地図は併用したい。

 メインに登山用GPSアプリを使うにしても、バックアップには紙地図が必要だ。お互いの長所を活かして併用するのがベストだ。

 雨や寒さに備えてレインウエアを、怪我に備えてファーストエイドキットを用意するように、スマホの不調に備えて紙地図は必ず用意しておきたい。そして、用意していても使えなければ意味がない。やはり、日頃から読図・ナビゲーションの練習は必要である。

トレイルランナーやハイカーが覚えておきたい登山地図の使い方

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地図を持たないトレイルランナーにヒヤリ

 ここ数年のトレイルランニングの人気で、ホームコースの六甲山でもランナーが増えた。私としては大変うれしいのだが気になる点がある。

 それは、山の知識をいっさい持たない人が意外と多いことだ。

 簡単なものでは「山は登りが優先」であるとか「レインウエアやヘッドランプは必携である」ことも知らない。六甲山で毎年遭難者が発生していることも。

 一番驚いたのは地図も地図アプリも持っていないことだ。今日これから走るコースが分からない。どこで補給し、距離や累積標高はどの程度なのか。

 もちろん案内役がいるのだがーー例えば私だーー見ていて冷や冷やすることもある。

 トレイルランナーやハイカーに関わらず、最低限の山の知識は持っておきたい。地図が読めなくても、せめてスマホに登山アプリは入れておこう。それだけで、道迷い遭難を少しは減らせるのではないか。

 案内役がいるにせよ、一人で下山することになればどうするのだろう。リスクを想定した上で、安全に山を楽しんでもらいたいと思う。

 だからこうして発信しているのだ。

登山用GPSアプリを地図読みのきっかけに

 それまでは登山地図を使っていたが、スマートフォンが普及するとすぐに登山用GPSアプリを使い出した。現在地を一発で表示してくれるのだ。こんなに便利なものはない。

 登山アプリを使っているうちに、地図に表示される等高線や地図記号の意味が気になり出した。それがきっかけで地形図を購入し、読図の勉強を始めたのだ。

 地図読みと聞くと、敷居が高く感じる人は多いだろう。私もその1人であった。それが今では地図を読書のように読み、バリエーションルートの散策やオリエンテーリング大会に出場するまでになった。

 地図は読めるようになると面白い。間違いない。面白くて読図の勉強を始めたら、結果それがリスクマネジメントにもつながっている。

 スマートフォンが普及し、誰でも登山アプリを使えるようになった。それをきっかけにして、ぜひ地図の世界も知ってもらいたいと思う。

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Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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