文具

新品なのに書けない!? 万年筆のインクが出ないときの対処方法

2019年2月10日

 新品で買った万年筆のインクが出ない!
 しばらく使わなかったらインクが出なくなってしまった……。

 万年筆を使うにあたり、インクが出なくなることは度々起きる問題だ。私も新品の万年筆からインクが出ず、焦った経験がある。

 大抵は簡単に解決できる問題なので、今回はその方法をご紹介したい。
 ここでは、自宅で簡単にできる、万年筆からインクが出ないときの対処方法をご紹介しよう。

目次

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新品の万年筆のインクが出ないとき

 万年筆を初めて購入した時のこと。新品の万年筆に新品のカートリッジをセットしたのにインクが出ず、「不良品か?」と焦ったことがある。実は何のことはなかった。

 カートリッジ式の万年筆は、そもそも新品の時はインクが出にくいものなのだ。それは万年筆の構造によるものである。

 インクカートリッジから毛細管現象でペン先にインクが送られるまでに、距離があるためどうしても時間がかかる。だから新品の万年筆はインクが出にくいのだ。

 カートリッジをセットして、通常は10分〜15分ほど待てば、ペン先までインクが送られ書けるようになる。それでも出にくい場合は、カートリッジの腹を軽く押してやるといい。

 しばらく待って書けるようになったら、遠慮せずに日常からどんどん使おう。使い込むことによりペン先がなじみ、さらに書きやすくなる。

 もし、カートリッジをセットして30分も1時間も書けない場合は、他の原因をう疑うべきだ。カートリッジの向きや、もしかしたら「書き方」に問題があるかもしれないし、本当に不良品かもしれない。

 なお、インクの詳しい入れ方は 【写真で解説! 万年筆へのインクの入れ方・洗い方】で紹介しているので参考にしてほしい。

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愛用の万年筆のインクが出ないとき

 愛用している万年筆が書けなくなっても、決して分解してはならない。万年筆は繊細な筆記具で、内部は複雑な構造でできている。部品ひとつの調整ミスで、使えなくなることもあるのだ。

 本格的な分解調整は、プロの『調整師』に任せて、ここでは自宅で簡単にできる対処方法をご紹介したい。

1.まずはペン先を紙に触れさせてみる

インクがにじみ出ている。インクが流れている証拠だ。

 まずは、内部でのインク詰まりを疑ってみよう。インク詰まりは万年筆でよく起きやすいトラブルの1つで、長期間使用していないと内部でインクが固まってしまう。

 確認する方法は、インクを入れた万年筆のペン先を軽くティッシュペーパーに触れさせてみることだ。

 インクがにじみ出てきたらペン先までインクが流れている証拠なので、インク詰まりが原因ではない。内部やペン先に問題があるかもしれないので、メーカー修理やペンクリニックへの持ち込みを検討しよう。

 インクが出てこない場合は内部で固まっている可能性があるので、万年筆の洗浄をおすすめする。

2.洗浄する

 万年筆に使われているインクは、そのほとんどが水性インクだ。もし、万年筆のインクが内部で固まってしまっても水で洗えば使えるようになる場合もあるので、万年筆の洗浄を試してほしい。詳細は「写真で解説! 万年筆へのインクの入れ方・洗い方」を参考に。

3.インクを変える

 まさかインクを変えることで書き味が変化するとは思ってもみなかった。これでは次々にインクを試したくなるではないか……。

 インク沼にハマる人の気持ちがよくわかる。インクは種類によって流れやすいインクと、乾燥気味のインクがある。

 インクフロー(インクの流れる量)が良すぎる万年筆には乾燥気味のインクを。インクフローが渋めの万年筆には、流れやすいインクで書き味が変えられる。

 以前、国産万年筆『#3776センチュリー』のインクをラミーからパイロットに変えたところ、好みの書き味になったことがある。ラミーのインクは乾燥気味のインクで、パイロットのインクは流れが良いと言われている。

 もともと国産万年筆は、日本語のとめ・はね・はらいを上手に書けるように、インクフローを絞っているようだ。そのため、流れやすいパイロットのインクとの相性がよかったのだろう。

4.書き方を見直す

 万年筆で初めて書く時に、一瞬とまどった。ボールペンや鉛筆はペン先の向きは関係ないが、万年筆はどう書けばよいのだろう? 万年筆には正しいペン先の向きがあるのだ。

  • ペン先を天井に向けること
  • 角度はボールペンより寝かせ気味(45〜60度)
極端な例だが、このような持ち方ではインクが出ない。

 ペン先を反対に向けて書こうとしても書けない。慣れれば書きやすい向きや角度が自然に身につくが、どうしても気になる人は『ラミー・サファリ万年筆』を使ってみるといい。

 グリップが三角形に成形されており、自然と正しい持ち方が身につく。

グリップに指をそえれば自然と正しい持ち方になる。

 これで正しい持ち方を覚えれば、他の万年筆でも問題なく書けるはずだ。

5.修理やペンクリニックに持ち込む

 1〜4の方法を試して、それでもインクが出ない場合はプロに任せよう。

 購入したメーカーに修理を依頼するか、文具店などで開催されるペンクリニックに持ち込むことをおすすめする。プロの調整師が万年筆を調整してくれるのだ。

万年筆を長期間使わないときは

 インク詰まりは、万年筆を長期間使用しない時に起こりやすい。もし、しばらく使う予定のない万年筆があれば、以下の手順でメンテナンスしておこう。

  1. インクを抜く
  2. 洗浄する
  3. よく乾燥させる

 インクを抜いてよく洗浄しておけば、インクが内部で固まってしまうことはない。次に取り出した時もスムーズに使えるだろう。

 すでに語り尽くされているが、万年筆の手入れは日常でよく使うのが一番ではないかと思う。

 ボールペンと違い少々手間のかかる筆記具ではあるが、筆圧をかけずにサラサラ書けることや、書いた文字が絶妙なグラデーションをみせるなど、万年筆にはさまざまな魅力がある。

 特に、筆圧が必要なく書けることは重要で、もはやボールペンで大量のノートをとれる気がしない。

 ぜひお気に入りの万年筆を見つけて、愛用してほしいと思う。

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Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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