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写真で解説! 万年筆へのインクの入れ方・洗い方

2019年1月31日

 手を出してはいけない領域に手を出したのかもしれない。

 万年筆の本体や紙質のほかに、インクの種類によっても書き味が変わるらしいのだ。「インク沼」への入り口が不敵な笑みを浮かべて待っている。

 好みのインクを使えるのが万年筆の楽しみでもあるが、初めての人は、インク交換に敷居の高さを感じるかもしれない。しかし、手順通りに進めれば簡単な作業である。

 ここでは、万年筆のカートリッジ交換やインク交換が初めての人のために、その手順を詳しく紹介しよう。

目次

インクによって書き味が変わる!?

 「インクの出が悪い気がする」と思ったのが事の始まりだ。

 #3776センチュリーを使っていて、時々かすれ気味になることがあったのだ。一度気になると調べずにはいられない。

 その結果わかったのが、それまで使っていた「ラミー・ブルーブラック」は乾燥気味で渋めなインクであることだ。どうやら、インクの種類によってインクの流れ方に違いがあり、筆記感が変わるらしい。

 そこで、国産インクの定番「パイロット・ブルーブラック」を試すことにした。補足しておくが「ラミー・ブルーブラック」が悪い訳ではない。万年筆との相性があるということだ。

 #3776センチュリーについては下記を参考に。

国産万年筆の最高峰! #3776センチュリーの書き味はいかに?

ラミー・サファリ万年筆を手に入れてから、また1本万年筆が増えてしまった。プラチナ万年筆の「#3776 センチュリー 中字」だ。 3776の数字は、富士山の標高からとっており、国産万年筆の最高峰を目指して開発された万年筆だ。ここでは「#3776 センチュリー」の特徴や、書き味を紹介する。 ...

Q.万年筆のインクを混ぜてはいけない理由は?

インクの種類

万年筆 ボトルインク
パイロット・ブルーブラック

 インクを交換する前には、万年筆の洗浄が必須である。なぜなら、万年筆のインクは、同じメーカーのインクでも混ぜてはいけないからだ。まずは、インクの種類とその理由を確認しておこう。

 ※ただし、自分でインクを混ぜて調色できるインクは別である。

染料インク

 一般的なインクで、染料が使われている。水に溶けるインクなので、万年筆内でトラブルが起きにくい。「ラミー・ブルーブラック」「パイロット・ブルーブラック」は、ともに染料インクである。

顔料インク

 水に溶けない顔料を使ったインクで、染料インクに比べて長期保存に適しているのが特徴だ。水に溶けないため、内部で乾燥させないよう注意が必要である。

古典インク

 化学変化を利用して、黒色を沈殿させるインクである。こちらも、水に強く長期保存が可能で、長らく公文書などの記録書類に用いられてきた。顔料インクと同じく、扱いには注意が必要である。

A.同じ色でもインクの成分が違うから

 以上のように、インクと一言にいっても種類があり、同じ色や同じメーカーでも種類によって成分が異なるのだ。それを混ぜるとインクの成分が変わってしまう。

 最悪の場合、万年筆の内部でトラブルが起こることもある。よって、インクを交換する前には万年筆の洗浄が必要になるのだ。

万年筆を洗浄する手順

  1. 万年筆を分解する
  2. 古いインクを捨てる
  3. 水にひたす
  4. 乾燥させる

 万年筆の軸を回転させて、万年筆を分解する。古いインクはもったいないが捨ててしまおう。ティッシュペーパーなどで吸い取ると良い。

 ペン先をどぼんと水に浸す。コンバーターや吸入式の万年筆は、ピストンを上下させて内部に水を循環させよう。汚れた水は交換して、水が透明になるまで繰り返す。

万年筆 洗浄
内部の古いインクが染み出してくる。
万年筆 洗浄
水が透明になるまで繰り返せばOK。

 よく乾燥させて完了だ。内部に水が残ると、書き出しのインクが薄くなってしまうので気をつけよう。

万年筆 洗浄
洗浄後はよく乾かす。

カートリッジ交換の手順

 ここからは、インク交換の手順を解説しよう。まずはカートリッジ交換の手順から。

  1. 万年筆を分解する
  2. カートリッジを差し込む
  3. 組み立てる

 万年筆の軸を回転させて分解する。

万年筆
用意したカートリッジと万年筆。

 古いカートリッジを外し、向きに注意して新しいカートリッジを差し込こもう。

インクカートリッジ
くぼんでいる方がペン先。ゆっくりと差し込む。
万年筆
カートリッジを差し込んだ状態。

 軸を組み立てて完了。

万年筆

 最初はインクが出にくいが、しばらくすれば書けるようになる。

コンバーターを使ったインク吸入の手順

 続いて、コンバーターを使ったインク吸入の手順を解説しよう。

  1. 万年筆を分解する
  2. コンバーターをセットする
  3. コンバーターでインクを吸入する
  4. 組み立てる
  5. 余計なインクを拭き取る

 まずはカートリッジ交換の要領で軸を分解する。

 カートリッジの代わり、にコンバーターを差し込もう。

万年筆
コンバーターをセットした状態。

 コンバーターのつまみを回してピストンを下げる。インク瓶にペン先を浸し、ゆっくりとピストンを上げるとインクが吸い上げられる。

万年筆
線のあたりまでインクボトルに浸す。
万年筆
余分なインクはあとで拭き取るので、気にせずインクボトルの奥まで浸す。
万年筆
ピストンをゆっくり上げてインクを吸い上げる。
万年筆
インクが吸入できた状態。

 軸を組み立てた後は、余分なインクを拭きとって完了だ。

万年筆
余分なインクをティッシュなどで拭き取り、軸を組み立てて完成。

万年筆のインク交換を楽しもう

  • インクは混ぜてはいけない
  • 簡単な手順でインクは交換できる

 インクを変えた結果、以前よりインクの出がよくなり筆記感も向上した。ただし、万年筆を洗浄したのが要因かもしれないので、しばらく様子をみようと思う。

 実際にやってみると、インク交換は簡単な作業だと分かる。敷居を高く感じて二の足を踏をふんでいる人は、ぜひ試してみてほしい。

 あなたにも「沼」の入り口が見えてくるはずだ。

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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