燻製は野外で楽しむもの。または、お店でしか味わえない手間のかかる料理というイメージがないだろうか。
実はちょっとした道具と工夫で、自宅でも簡単に燻製を楽しめる。今回は、コスパに優れる業務スーパーの冷凍肉『豚バラブロック』を使ってベーコンを作ってみた。
目次
業務スーパーの冷凍ブロック

いい食材を使えば美味い燻製ができるのは当たり前。しかし、お手頃な冷凍肉だって立派なベーコンに生まれ変わるのだ。
業務スーパーの豚バラブロックは、スペイン産の豚バラ肉を1kg(500g×2本)詰め込んだボリュームのある商品ながら、価格は980円(税抜き)とコスパ感のよいお肉である。
冷蔵庫で解凍して薄切りにすれば、各種料理にも使いやすいだろう。何より、ブロック肉は傷みにくく日持ちするのがうれしい。解凍すれば、国産のスライス肉と遜色のないクオリティではないかと思う。
500gのブロック肉を2本というパッケージは、家庭で使える燻製器にもちょうどいい。1kgのバラ肉をそのまま燻製するには、大型の燻製器が必要だからだ。
というわけで、業務スーパーで豚バラブロックを見つけた瞬間、これは燻製に使える! とひらめいた次第だ。
用意するもの
- <材料>
- 豚肉:業務スーパー冷凍豚バラブロック1kg
- 塩:25g
- ブラックペッパー:適量
- ハーブ;お好みで

- <道具>
- 燻製器(ここではSOTO お手軽香房 ST-124を使用)
- スモークウッド
SOTO お手軽香房 ST-124

- 寸法:幅222×奥行194×高さ415mm(使用時)/幅230×奥行40×高さ440mm(収納時)
- 重量:2.0kg
- 材質:フタ・チップ皿:鉄(メッキ鋼鈑)、網:鉄(亜鉛メッキ)、フック:ステンレス、つまみ:天然木
- セット内容:本体、フタ。燻煙網(2枚)、チップ皿(1枚)、つり下げフック(3本)、木製つまみ(2個)
お手軽香房は本来アウトドア用の燻製器ながら、コンパクトに折りたためるほどよいサイズ感の燻製器だ。自宅のキッチンでも何とか使える。ただし、お手軽香房 ST-124はアウトドア用の燻製器だ。燻煙中は煙がもれるため、ご近所の迷惑にならないようにくれぐれも注意したい。
家庭用の燻製器は一度に燻せる食材の量が少ないものが多い中、お手軽香房は大きな食材も自由にレイアウトでき、2人〜3人分の食材を一度に燻煙できる。
そのかわり燻製にはやや時間がかかる。今回のベーコンは3時間かけた。時間にゆとりがあるときに使いたい燻製器だ。
ただし、お手軽香房はアウトドア用に設計されている。燻煙中は煙がもれるため、ご近所迷惑にならないようにくれぐれも注意したい。
ベーコンの作り方
1.解凍&塩漬け

まずは豚バラブロックを冷蔵庫で一晩かけて解凍しよう。解凍できたら丁寧に洗い、全体にフォークで穴を開ける。こうすることで味がよく染み込んでくれる。

塩、ブラックペッパー、お好みのハーブを全体にすりこんだら、ラップをして冷蔵庫で一晩寝かせる。適当な重石をのせるとベター。味がよく入り、余分な水分が抜けやすくなる。
より本格的なベーコン作りでは塩漬けで一週間ほど寝かせるが、一晩でもちゃんとベーコンらしい味わいになる。
2.塩抜き
塩抜きを終えたら、今度は塩を抜く作業だ。塩漬けしたままの肉は辛くてとても食べられない。

ボールに水を入れ、肉を浸しながら表面の塩・こしょうを落とそう。塩加減をみるための味見を忘れずに。

カットした肉の端切れを焼いて試食してみよう。気持ち、塩気が薄いかな、ぐらいがちょうどいい。いい塩梅になるまで塩抜き作業を続ける。
塩抜きの時間は塩漬けの時間による。今回は20分〜30分だったが、塩漬けの日数を長くした場合は、塩抜きに半日以上かかることもある。本格的なベーコンは手間がかかるのだ。
3.乾燥

塩抜きを終えたら水分をよく拭き取り、乾燥の工程にはいる。燻製には水分が大敵で、余分な水分が残ったまま燻煙すると、煙のえぐみ成分が付着してしまう。
燻製や干物用のネットで乾燥させるのが一般的だが、冷蔵庫が簡単なので私はそうしている。ラップをかけずに冷蔵庫で一晩寝かせよう。
4.燻煙
いよいよ燻煙の工程だ。使う燻製器にもよるが、今回は3時間燻煙した。

燻製器に豚肉とスモークウッドをセットする。スモークウッドは、それ自体が燃えて煙を出してくれるので熱源がいらない。温度管理がほぼできないが、火を着ければ放置できるので、お手軽である。
SOTOのスモークウッドは、ひとかけで約90分燃焼する。が、燃焼状態により時間に差があるようだ。途中で様子を見ながら、必要なら2個目を追加しよう。
スモークウッドの着火は確実に

スモークウッドの失敗でよくあるのが、途中で火が消えてしまうこと。しっかり着火できていないと煙が消えてしまう。
コンロやバーナーを使って、スモークウッドの片面をしっかりと焼こう。
完成
燻煙を始めてから3時間が経過した。

もう少し燻煙してもよさそうだったが、これで完了とする。しばらく燻製器の中で放置して、煙をなじませる。燻煙したてのベーコンは煙臭くて食べられない。さらに一晩冷蔵庫で寝かせれば、ついに完成である。(私は寝かさずに食べたけどね)

完成したベーコンをスライスして、ベーコンステーキを作ってみた。フライパンから、燻製特有の香ばしい香りが立ち込めてくる。

皿に盛り付け、水菜のサラダを添えてみた。ベーコンを口に運ぶ。肉の旨味たっぷりの油が、じわっと口中に広がる。燻製のいい香りが鼻を刺激した。完成まで4日かかったベーコンを、気がつけば10分でたいらげていた。
この味を知りたければ、自分で作るべし。
まとめ
手頃な冷凍肉でも燻製は楽しめる。今回は燻製器を使ったが、本格的な道具がなくても、中華鍋やフライパンでも燻製はできる。この記事が気になった人は、すぐに業務スーパーに走ろう。