プラチナ万年筆 #3776 センチュリー

ライフ 文具

2本目の#3776センチュリー |国産最高峰の万年筆

2020年12月14日

 ついうっかり増やしてしまった。

 1本目を手にしたのは2019年1月のこと。プラチナ万年筆「#3776センチュリー M(中字)」に加え、今回手にしたのは同じく#3776のEF(極細)である。
 どうやら万年筆という筆記具は、1本手にするといつの間にか増殖していくものらしい。

目次

スポンサーリンク

数ある筆記具から万年筆を選ぶ理由

プラチナ万年筆 #3776 センチュリー

 弘法筆を択ばずと言うけれど、僕は弘法ではないから筆を選ぶ。下手の道具調べである。

 日常において、僕は種々の筆記具を使っている。万年筆の他に鉛筆、製図用シャープペンシル、フィールドワーク用に耐水サインペン「super プチ」も最近使い始めた。

 どれも一長一短あり、状況によって使い分けている。本体さえ残っていれば絶対に書ける鉛筆は山に最適な筆記具だし、F1マシンのように精密な製図用シャープペンシルは、小さな手帳への書き込みに具合がいい。しかし、この中でもっとも手にしっくりとなじみ、筆記していてストレスを感じないのが万年筆だった。

 本を読みながら、WEBサイトで調べ物をしながら、あるいはオンライン会議で画面の向こう側にいるクライアントの要望を聞きながら、空いてる右手でノートに素早くメモをとる。万年筆はインクがかすれることもなければペン先が紙にひっかかることもない。
 上記のような場面で、筆圧がいらず、サラサラと紙の上を滑るような書き心地は手の疲れを最小限に抑えてくれる。手入れをしながら大事に使えば一生モノ、というところも気に入った。

 そうそう、僕はボールペンをほとんど使わない。万年筆にすっかり慣れたせいか、筆圧のいるボールペンが書きにくくて仕方がないのだ。

 #3776の中字は、ペン先のラインアップの中でどれよりも汎用性が高い。特にお気に入りの大学ノートに書くには適当な選択だった。
 しかし、例えばトラベラーズノートのような手帳に書き込むには少々線が太かったのだ。そこで手帳や小さなノートに細かくびっしりと書き込める万年筆を探していた。

手帳に適したEFのペン先

 2本目の#3776を選ぶにあたり、もちろん他社製の万年筆も試し書きしてみた。僕の予算に合う手頃な万年筆をいくつか試したが、一見同じように見える万年筆でも、メーカーやモデルによって微妙に書き心地が異なった。
 その詳細は僕には分からないが、おそらく重心のバランスやペン先の硬さ・軟らかさ、それにインクの流れ方などに個性があるのだろう。

 試し書きの結果、やはり手になじんだ#3776が一番しっくりきた。その中でも手帳に最適なEFを選んだのだ。

 ちなみに、#3776にはさらに細字のUEF(超極細)もある。もちろんこれも試してみたが、まるで針先で字を書くような、万年筆らしからぬカリカリとした筆記感だった。
 店員いわく「プラチナ万年筆のEFは他社モデルより一段細いから、手帳ならEFで十分ですよ」ということなので、EFを購入して足早に自宅へと帰った。

スポンサーリンク

インクの乾きを防ぐスリップシール機構

 自分のノートや手帳は長期間—できれば30年も40年も—保管して、昔の自分が何を考え、どう行動していたかを振り返りたいと思っている。そこで、長期保存に適した「顔料インク」を日常的に使いたいのだが、万年筆と顔料インクにはあるデメリットがある。

万年筆の弱点

 万年筆は使っても使わなくてもインクが乾燥してしまう。インクを入れたまま保管すると乾燥し、中で詰まってしまう。これが万年筆の最大の弱点である。

 インクの乾燥を防ぐには日常的に使用するか、使わないときは手入れをして保管するなどメンテナンスが必要だ。

スリップシール機構

 プラチナ万年筆はこの最大の弱点を「スリップシール機構」により克服した。回転ねじ式キャップを完全機密機構にすることにより、2年間放置しても50%のインク残量を実現している。

 ちなみに通常の万年筆は3〜6ヶ月放置するとインクが乾燥して書けなくなってしまう。こうなるとインククリーナーによる洗浄や最悪の場合メーカー修理が必要になる。

顔料インクとも相性よし

 万年筆のインクといえば水性染料インクが定番だ。
 それに比べ、顔料インクは耐水性・耐光性に優れ、例えば公文書や保存文字に適してる。ただし水溶性ではないため、一度乾燥すると再び溶けない。万年筆の中で乾燥しないようメンテナンスに神経を使うインクである。

 しかし、スリップシール機構はその完全機密構造により顔料インクでもためらわずに使える。この機構を搭載しているのはプラチナ万年筆だけだ。
 僕のように手帳やノートを万年筆で記入し、長期にわたって保管したい場合は、これほど適当な万年筆は他にはないのである。

***

 購入してから気がついた。

 「万年筆といえば仏壇カラー(黒と金)だろう」と特に迷うことなくEFも黒金を選んだのだが、Mも黒金である。しかも同じ#3776だ。これではキャップを開けないと区別がつかないではないか。

 全ての万年筆を黒金でそろえるのも、それはそれは渋いが、実用的にはどうだろう。見分けやすいように、透明軸を1本用意しようかな。

 ——いかんいかん! 1本購入したばかりだ。

 1本買えばもう1本。2本になれば3本目が気になる。こういう人を俗に「万年筆沼にはまった」と言うらしい。ついうっかり増やさないよう、十分に気をつけたい。

created by Rinker
プラチナ万年筆
¥1,648 (2021/05/03 21:35:50時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

    -ライフ, 文具
    -

    © 2021 kawaguchi Takashi Powered by AFFINGER5