今こそ自転車を見直そう! 密を避け、CO2を排出しない移動手段

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 2050年までの脱炭素を目標に、世界中での取り組みが加速している。化石燃料を燃やすガソリン自動車を廃止し、電動化する方針もそのうちのひとつだ。

 それは僕が子供のころに夢見た未来。
 緑があふれる街中を、自動運転の電気自動車が静かに走りぬけてゆく——人と緑が調和し、共存する世界が、もうすぐ目の前に広がっているのだ。

 そんな世界の到来が待ち遠しいが、もちろん今すぐという訳にはいかない。だからその前に、もっと身近な乗り物を見直してみてはどうだろう。

 そう、自転車だ。それもスポーツ自転車なら、往復20kmのサイクリングだって楽々とこなせるのだ。ここでは、二酸化炭素を排出しないエコな移動手段、スポーツ自転車の魅力について語りたい。

目次

自動車から排出される温室効果ガス

 国土交通省によると、2018年度の日本の二酸化炭素総排出量は11億3,800万トンであり、運輸部門からの排出量は18.5%(2億1,000万トン)であった。そのうちの46.1%が自家用乗用車からの排出であり、自動車全体では運輸部門の86.2%を占め、それは日本全体の15.9%にあたる。

 冒頭で述べたように、世界で2050年までのカーボンニュートラル(二酸化炭素排出実質ゼロ)に向けた取り組みが加速しているが、この目標は並大抵のことでは達成できない。ありとあらゆる手段を講じ、僕たち自身も、消費型のライフスタイルを見直さなければならない。

 とはいいながら、自動車のない世界にはもう後戻りできないのが現実だ。化石燃料を燃やさない電気自動車や、水素で走る燃料電池車の、さらなる普及を待たざるを得ないのだろうか——。

 いや、ちょっとまった! 老若男女が利用する、もっと身近にある移動手段を、今こそ見直してみてもいいんじゃないか。

楽々移動できるスポーツ自転車の魅力

 休日の朝、熱々のコーヒーをボトルに入れて、自転車で自宅を出発する。お気に入りのパン屋で昼食を買い、図書館に立ち寄ってからちょっと遠くの公園までサイクリングだ。

 公園で昼休憩をとり、読書と散策を楽しんでから再び自宅へ。遠出ができないコロナ禍での、我が家のある日の過ごし方、往復約20kmの自転車散歩である。

 コロナ禍を機に、自転車に注目が集まっている。読売新聞によると、密になりやすい電車やバスを避け、通勤通学や買い物で自転車を利用する人が増えているという。自転車部品を手がけるシマノでは生産設備の増強をし、最高益を見込むなど、自転車関連市場の活況はしばらく続きそうだ。

 密を避けられるうえに、自転車は二酸化炭素を排出しないクリーンな移動手段である。このご時世にぴったりな乗り物ではないか。

 しかし「本当に20kmも移動できるのか?」「自動車の代わりに自転車なんて、ちょっと考えられない」という人も多いことだろう。

 大勢の人にとって、自転車とはシティサイクル、いわゆるママチャリのことであって、せいぜいスーパーへの買い物や、最寄駅までの移動など、ごく近距離の足代わりにしかならないと考えている。しかし、スポーツ自転車なら10〜15kmの移動を苦もなくこなせるのだ!

片道10〜15kmの移動も楽にこなせる

 初めてスポーツ自転車に乗った人は、そのこぎ出しの軽さ、抵抗もなく、ぐんぐん進んでいくスピード感に感動すら覚えるだろう。世代によっては「ザクとは違うのだよザクとは……」なんてつぶやくかもしれない。そう、ママチャリとは次元が違うのだよ、ふっふっふ。

 その歴然たる性能の差を、僕の愛車「NESTO(ネスト)」の公式動画で確認してみてほしい。

 まず本体がママチャリに比べて圧倒的に軽い。スポーツ自転車なら、ママチャリの半分ぐらいの重量のモデルも珍しくないのだ。それにこぎ出しの抵抗の少ない車輪やタイヤを採用し、変速機能で坂道もすんなりと登れる。

 さらにママチャリと決定的に違うのが乗車姿勢だ。スポーツ自転車は前傾姿勢で乗車する。それによりお尻、足、腕に体重を分散でき、効率よくペダルをこげるほか、長時間乗っても疲れにくい。

 スポーツ自転車はあらゆる状況に対応でき、快適に走れる。だから「ママチャリで15kmの移動なんて絶対無理!」という人も、スポーツ自転車だと1時間ぐらいで苦もなく走れてしまう。

 これを体験するには、試乗できるお店で実際に乗ってみてほしい。ママチャリとスポーツ自転車は、まったく別物だと分かってもらえるだろう。

廉価なクロスバイクで十分

ネスト バカンゼ
僕の愛車「NESTO VACANZE」。

 スポーツ自転車といえば、競輪選手が乗るような自転車や格好をイメージするかもしれない。10万円以上の本体に好みのパーツを色々と組み込んで、ヘルメットと専用のサイクルウエアに身を包む。

 もちろん本格的な自転車とウエアを用意してもいいし、100万円超えの自転車でもいいのだけれど。

 通勤や通学、買い物、それにちょっとしたサイクリングなら、廉価なクロスバイクで十分である。

 クロスバイクとは、悪路を走るマウンテンバイクの走破性と、舗装路を快適に走れるロードバイクのいいところを組み合わせた自転車のことだ。基本的には車道を走りつつ、乗車と停車を繰り返し、ときには歩道の段差を越えるなど街中でも悪路は意外と多いが、クロスバイクなら大丈夫。最近では品質の良いモデルが5万以内で手に入る。

 ちなみに僕の愛車は日本の自転車メーカー「NESTO(ネスト)」のクロスバイク「VACANZE(バカンゼ)」だ。かれこれ3年ほど乗っているが、その乗り心地は今でも快適そのものであり、室内保管だから傷みもない。このような廉価なクロスバイクでも、その性能はママチャリと比べて圧倒的である。

自転車は健康的

 自転車は足・膝への負担が少なくケガをしにくい。そのうえ全身を使う有酸素運動であり、心肺機能の強化や筋力アップ、ダイエット効果などを期待できる。しかもその運動を無理なくこなせるのが自転車のメリットだ。

 例えば、初心者が1時間のジョギングをこなせるようになるには、相応のトレーニングが必要である。ランニング愛好家の僕だって初めは1km走るのがやっとだったし、10km(これで約1時間のランニング)走れるようになるには”壁”が存在し、数ヶ月のトレーニングが必要だった。

 しかし、自転車は足や膝への負担が少ないため、1時間ほどのサイクリングなら、それもスポーツ自転車なら、初めての人でも無理なくこなせるだろう。

 さらにイギリスの研究機関による2017年の発表によると、通勤にクルマや公共交通機関などを利用する人に比べ、自転車、もしくは自転車と徒歩の組み合わせを利用する人は、ガン・心臓疾患リスクが有意に低下することが認められた。このように、健康面における自転車利用のメリットは明らかであるのだ。

今こそ自転車を見直そう!

 日本の二酸化炭素総排出量の、15.9%は自動車から排出されている。今や国家や企業が一丸となって2050年のカーボンニュートラルに向かって取り組みが始まっているが、僕たちのライフスタイルの見直しも問われている。

 そこで提案したいのが、自転車だ。スポーツ自転車なら日常の買い物やサイクリングまで楽々こなせるうえ、環境にも体にもいい。その性能の高さに、初めてスポーツ自転車に乗る人は感動すら覚えるだろう。

 どこへ行くにも自動車という人、そして慢性的な運動不足に悩む人。そんな人こそ、自転車という選択肢を考えてみてもいいのではないだろうか。