ダイヤモンドトレール

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【ダイヤモンドトレール】二上山〜紀見峠を1泊2日テント泊で歩く旅

 数日分の居・食・住を背負って歩く。バックパックに収まる、わずかな装備で暮らす。これが歩き旅の醍醐味のひとつだ。夜、テントの中でノートをつけながら、手元の装備を見回してみた。それに比べ、私生活の物の多いこと……。こんなことを実感できるトレイルが、大阪にある。

ダイヤモンドトレールとは

 ダイヤモンドトレール(金剛葛城自然歩道)。大阪・奈良・和歌山の府県境の山々の主稜線をたどる山岳トレイルで、北は二上山から、大和葛城山、金剛山、岩湧山など、金剛葛城山地の名峰をたどる。

 約45kmの道のりは、ハイキングなら3回程度に分けて歩くのが一般的だろう。しかし、金剛山のちはや園地や大和葛城山に宿泊施設があるので、山中泊プランを計画するのもおもしろい。今回は二上山から紀見峠までを、1泊2日のテント泊山行で歩いてきた。

ダイヤモンドトレール歩き旅|二上山〜紀見峠

ダイヤモンドトレール
二上山、岩屋峠。

 今夏の梅雨は例年より長引き、数日前から前線が停滞してる。駅から見上げる二上山は、厚い雲に覆われていた。今にも降り出しそうな空模様だが、ちはや園地キャンプ場まで天気がもってくれることを祈りながら、二上山を登りはじめた。

 ダイヤモンドトレールは階段地獄だと聞いていたが、さっそく洗礼を受ける。アップダウンは地形図から読み取っていたが、階段は地図には表記されない。なんと階段の多いことか。自宅の階段で歩荷トレーニングをしている私でも、登山道特有の段差の大きな階段は、歩きはじめの体にはきつい。

 その後、岩橋山、大和葛城山から水越峠、金剛山と、頻繁に階段が登場する。こんなに階段の多いトレイルは初めてだった。

 二上山を下り、竹内峠でしばし休憩しながらコースタイムを確認する。実は、この日は時間の制約があったのだ。ちはや園地キャンプ場の受付に、16時30分までに到着しなければならない。だが標準コースタイムではその時間に間に合わないため、早足で歩いた。そのペースはハイキング以上、トレラン未満といったところだ。

 ダイヤモンドトレールの前半は樹林帯の中を歩く。眺望のよい展望スポットはほとんどなく、また時間制限のこともあり、歩くことに集中できた。ただひたすら、黙々と歩く。

ちはや園地キャンプ場。

 大和葛城山に到着すると、ようやく視界が開けてきた。眼前には金剛山地が広がっている。この日は金剛山のちはや園地で幕営だ。水越峠から金剛山へ登り返し、なんとか16時20分にキャンプ場に到着した。夕食のキムチ鍋を食し、明日の用意を済ませると他にやることがない。電源もなければ、便利家電もないからだ。

ツエルトの設営はまだまだ下手だ。

 ヘッドライトの灯りを頼りにノートに記録をつけ、時計に目をやると19時を少し過ぎたところ。あたりは真っ暗闇で、聞こえるのはヒグラシとカエルの鳴き声のみ。自動車の騒音はうるさくて眠れないのに、ヒグラシの声は耳障りではないから不思議である。明日に備えて、早々に眠りについた。

 2日目の朝。天気予報によると、今日の昼過ぎから明日にかけて”警報級の大雨の可能性”とあった。本来は2泊3日で全縦走する予定だったが、安全を考えて紀見峠での下山を決定し、出発した。

 今日の行程は昨日とは違い、下り基調で高低差はゆるやかだ。金剛山の南尾根に吹き付ける涼しい風を受けながら、低山の稜線歩きを楽しんだ。

ダイヤモンドトレール

 途中の行者杉では、修験道の開祖『役行者(えんのぎょうじゃ)』の足跡を垣間見れる。役行者は現在の金剛山・大和葛城山で山岳修行を行い、熊野や大峰でさらに修行を重ねた。関西の山々には役行者ゆかりの地が多々ある。

 ここ行者杉には役行者を祭る祠があり、古来より修験者の行場として、大事な役割を果たしていたという。役行者は修験道の開祖というカリスマでありながら、きっと山旅が好きで、山旅の達人だったのだろう。役行者の足跡に出会う度にこんなことを考えるのは、きっと私だけではないはずだ。

ダイヤモンドトレール

 紀見峠でダイヤモンドトレールを外れ、紀見峠駅に向かってアスファルト道を下っていった。ずいぶん久しぶりのテント泊山行だったが、大きなトラブルもなく無事に下山できた。やはり、テントと寝袋で山中で過ごすことは素晴らしい体験である。

 ただ、装備の軽量化やペース配分など、いくつかの改題も浮き彫りになった。次の山旅に備えて、少しずつ改善していきたい。テント泊装備については、また改めて。

ダイヤモンドトレールへのアクセス

  • 行き:近畿日本鉄道(近鉄)『二上山駅』下車

帰り:紀見峠から徒歩約30分 南海電鉄『紀見峠駅』

ダイヤモンドトレールの参考書籍 & 地図

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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