Berwick(バーウィック)1707 Uチップ

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10年後を見据えた靴選び|Berwick(バーウィック)1707Uチップ

 私が革靴を選ぶときに大切にする基準のひとつが”10年履ける”ことである。

 「革靴は10年も履けるものなのか?」と疑問に思われるかもしれないが、正しい手入れをし、修理をしながら大切に扱えば10年以上愛用することだって夢ではない。

 それは数十万円の値をつける高級靴でなければ実現しない、という訳でもなく、お手頃価格で入手できる靴にもクオリティーの高いモデルが存在し、長く愛用できるのだ。

 その好例がBerwick(バーウィック)1707である。

Berwick(バーウィック)1707

 バーウィックは革靴の名産地として知られるスペイン南東部のアルマンサにて、1991年に誕生した。

 ブランド名は、1707年に起きたスペイン継承戦争のひとつ『アルマンサの戦い』で功績を挙げた、Berwick 公爵に由来する。

 数々の老舗が名を連ねる靴ブランドにおいて、比較的新しいブランドだと言えるだろう。

 バーウィックの革靴は、英国靴の雰囲気と、イタリアやフランスの色気を融合させたデザインが特徴的だ。

 すでに欧州では高い評価を得ており、日本を含め、世界に認知されつつある。

 バーウィックはグッドイヤーウェルト製法を主軸に革靴を生産しており、10年履けることを基準に選ぶ場合、この製法が大切なポイントとなる。

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グッドイヤーウエルト製法の革靴は長く愛用できる

Berwick(バーウィック)1707 Uチップ
シューホーン、ソックス、ブラシ、シューポーチが付属していた。シュートリーは別売。

 私が選んだのはモデル『4777』。ショートノーズの木型を採用した、ベーシックなUチップである。

 Uチップはスポーティーな印象を与えるため、かしこまった場面には不向きとされている。

 だが私は仕事柄、スーツを着用する機会は年に数回程度だ。カジュアルウエアで日常的に履くために、このデザインを選んだ次第だ。

 革靴選びでは、サイズやフィット感の確認はもちろん欠かせないが、同時に製法も確認しておきたい。

 4777は、グッドイヤーウエルト製法を採用し、靴底にはイギリス『ダイナイトソール』を組み合わせた堅牢なモデルだ。

 靴の製法とは、甲革と靴底を取り付ける方法のことをいう。代表的な製法には

  •  グッドイヤーウエルト製法
  •  マッケイ製法
  •  ステッチダウン製法
  •  セメンテッド製法

 の4つがある。

 グッドイヤーウエルト製法は、甲革と靴底を大型のミシンで縫い付ける製法である。

 それも、甲革と靴底の間には『ウエルト』というパーツを介して縫うため、靴底が傷んでも交換が容易だ。甲革を良い状態に保てば、傷んだ靴底やウエルトを交換することで長く愛用できる。

 それが他の製法だとこうはいかない。

 接着剤で靴底を固定するセメンテッド製法は、靴底の交換が困難。概ね1万円代や、それ以下の革靴に採用される方式だ。

 マッケイ製法やステッチダウン製法は、甲革と靴底を直接縫い付ける。つまり、ミシンで穴を開けるということだから、修理できる回数が限られてしまう。

長く愛用できる革靴は、真にコストパフォーマンスに優れている

Berwick(バーウィック)1707 Uチップ

 バーウィック4777は革の風合いもよく、そつがない仕上がりだ。カジュアルな雰囲気の場面であれば、どこに履いても恥ずかしい思いをすることはないだろう。

 「わざわざ修理をしながら同じ靴を履かなくても、新しい靴を買えばいい」と思われるかもしれない。

 そうして1万円の革靴を年に1足2足と履きつぶす。それを数年繰り返すうちに、さて革靴にいくらお金を注ぎ込むことになるだろう。

 安価な革靴は不経済だ。

 一見、経済的であるように思えてしまうが、そのような靴は見栄えが悪く、安価な素材は靴を磨くことさえままならない。

 かかとがすり減り、手入れをしていない革靴は人からの印象を損なう。足元を見られるとは、そういうことだ。

 良い製法で作られた革靴は、履き込むほどに足になじむ。靴底がすり減れば交換し、手入れをすることで自分仕様の靴に育つ。

 よく手入れされた革靴は相手に好印象を与えられる。そんな革靴が、わずか3万円代で手に入るのだ。

 流行の移り変わりが激しい洋服とは違い、ベーシックなデザインを選べば、10年や20年で時代遅れになることもない。真にコストパーフォーマンスが優れているとは、こういうことである。

10年先を見据えて靴を選ぶ、磨く

Berwick(バーウィック)1707 Uチップ

 良い革靴を選んでも、手入れを怠れば台無しである。定期的に靴を磨き、清潔感のある状態を保とう。

 革靴は新品のときの手入れが大切だ。

 新品の革靴は乾燥している。靴クリームで栄養補給をし、甲革の表面に膜を作ることで汚れや傷に強くなる。よく磨けば自然な光沢を発し、見栄えも良くなる。

 4777を履きおろす前に、さっそく磨き上げてみた。まだ新品なだけあり革は硬い。なじむには相当な時間がかかりそうだ。

 靴好きの間では、靴底を一度取り換えるぐらいの時期が、ようやく慣らし運転が終わったころだと言われている。私自身もそう思う。

 店内での試着では、この柔らかく足にフィットした時期のことを考えて選ぶ。これがなかなか難しい。

 今はわずかに違和感があるし、靴擦れができそうだ。とはいえ、ひとつ上のサイズでは大きすぎる。

 悩みに悩んだ末、10年後のことを考えて「わずかに小さいかな」と思うサイズを選んだ。

 元靴職人だって、自分の靴を選ぶときはなかなか決められないものなのだ。

 さぁこの選択が正しかったのだろうか。

 真新しい靴を磨きながら、10年後の未来のことを考えた。

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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