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双眼鏡を選ぶなら低倍率双眼鏡を強くおすすめする理由|ビクセン at4 のレビュー

2020年3月4日

 登山や旅行の楽しみのひとつが、見晴らしの良い場所からの展望だ。遠くの景色をたぐりよせ、より楽しむためには双眼鏡が欠かせない。そんなわけで遠出するときはバックパックに小型の双眼鏡を忍ばせてある。

 ところで、「双眼鏡は倍率が高いほど高性能だ」と考えていないだろうか。実は、小型の双眼鏡でおすすめなのは低倍率モデルなのだ。

 ここでは、低倍率双眼鏡をおすすめする理由と、ビクセンの低倍率双眼鏡をご紹介しよう。

目次

双眼鏡は高倍率=高性能の勘違い

展望ポイントからの眺めは、登山や旅行の楽しみのひとつだ。

 基本的に双眼鏡は遠くのものを拡大して見るためのものだ。そのため、倍率が高いほど高性能だと考える人も少なくない。

 だが、小型クラスで過度の高倍率をうたう双眼鏡には数々のデメリットがつきまとう。

高倍率ほど手ブレがひどくなる

 倍率が高くなるほど手ブレがひどくなるのは、カメラのレンズと同じだ。たとえ倍率が高く対象物を大きく拡大できたとしても、手ブレの影響で鮮明な視界は得られない。

 同じ高倍率双眼鏡でも、海洋業務などで使う大型モデルは三脚の使用を前提に設計されている。

 しかし、小型双眼鏡で三脚を使えるモデルは多くはないし、30倍や50倍の倍率をうたうものは、はっきり言うと粗悪品レベルである。手ブレがひどく、何が見えてるのかさえ分からないだろう。

高倍率ほどレンズが暗く、視野が狭くなる

 倍率が高くなるほどレンズは暗くなり、さらに視野も狭くなる。手ブレの影響も相まって、遠くの対象物をピンポイントで捉えたり、飛んでいる鳥を視界に捉えたりすることなどは、ほぼ不可能だ。

手持ち双眼鏡は10倍まで

 以上のことから、手持ちで使う双眼鏡は、光学的に無理のない8〜10倍までがおすすめである。10倍を超える双眼鏡は手ブレやレンズの暗さの影響が大きくなり、50倍や100倍の双眼鏡など論外である。

 しかし、8倍クラスの双眼鏡より、さらに見やすくのぞきやすく、しかも安価に生産できるのが今回おすすめする低倍率双眼鏡なのだ。

おすすめの双眼鏡|ビクセン Vixen at4 M4×18

 ビクセンとは、日本の光学機器メーカーおよび、そのブランド名である。双眼鏡といえばニコンやオリンパスが有名であり、ビクセンはあまり馴染みのないメーカーかもしれない。

 だがビクセンは、1949年に現社主である土田耕助氏の個人営業として創業し、天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡などの製造を手がける一流メーカーである。

 at4 はビクセンが手がけた4倍の小型双眼鏡。軽量コンパクトで荷物にならず、登山や旅行に最適なモデルなのだ。

ビクセン at4
ビクセン at4
本体や説明書の他に、ストラップやサコッシュ風のケースが付属する。
ビクセン at4
付属ケースのメッシュポケットは、筆記具や図鑑を収納するのに便利だ。
ビクセン at4
付属のストラップはバックルで簡単につけはずしができる。
  • 対物レンズ有功径:18mm
  • 倍率:4倍
  • プリズム材質: BK7
  • コーティング:PFMコート
  • 実視界:9.2度
  • 見掛視界:35.7度
  • ひとみ径:4.5mm
  • 明るさ:20.3
  • アイレリーフ: 18mm
  • 至近距離:0.55m
  • 大きさ:85×112×40mm
  • 重さ:145g

 6倍のat6はこちら。

低倍率双眼鏡|ビクセン Vixen at4 M4×18の特徴と魅力

明るくクリアな視界

ビクセン at4

 at4 はの視界は、価格やサイズから想像する以上にクリアである。そのクリアな視界は、4倍の低倍率だからこそ実現できたと言っても過言ではないだろう。

 通常、小型双眼鏡の倍率を上げようとすると光学的に無理が生じる。そのため、レンズの枚数を増やすなどして対策するのだが、その分重量が増し、コストがかかる。

 だが、4倍〜6倍の低い倍率は光学的な無理がなく、明るくのぞきやすい双眼鏡を安価に作ることができるのだ。

 また、レンズにはPFMコートが施され、光の反射を防ぐことでよりクリアな視界を確保している。私が今までに使ってきた同価格帯の8倍双眼鏡と比べて、はるかに明るく見やすい。

 もし、4倍という低い倍率に不安を覚えるなら、実機を試せる店舗で at4 試してみてほしい。倍率に対する考え方が、がらりと変わることだろう。

55cmの至近距離からピントが合う

近距離にピントが合う双眼鏡は、このような博物館でも活躍する。

 双眼鏡は遠くのものを見るためのものと述べたが、近距離にピントが合うと活用範囲がぐっと広がる。

 at4 は55cmの至近距離からピントが合う。例えば、登山道わきの、手が届きそうで届かない距離の動植物の観察や、博物館のガラスケースの中、美術館の絵画など、このような場面で威力を発揮する。

 遠くの景色だけではなく、足元の自然や美術品も観察できる。これこそ双眼鏡の隠れた魅力のひとつである。

軽い本体重量

ビクセン at4
とにかく軽く、どこへでも持ち運べる。

 本体重量はわずか145g。首からかけても負担が少ない。登山や旅行の本来の目的を、大きく重たい双眼鏡が邪魔をしたら本末転倒である。

 付属のサコッシュ風ケースに入れて、どこにでも持ち出せるサイズと重量も、at4の大きな魅力であるのだ。

アイレリーフが長く、メガネ使用者にも使いやすい

ビクセン at4
メガネ使用時はゴム目当てを折りたたんで使う。右目にはもちろん視度調整機能がある。

 アイレリーフとは、接眼レンズ最終面から「ひとみ」ができる位置(アイポイント)までの長さを測った距離のこと。双眼鏡をのぞいたときに、視界がケラレる(欠ける)ことなく見える、レンズから目までの距離のことである。この距離がメガネ使用者には問題なのだ。

 メガネを使う場合、双眼鏡と目の間にメガネがあるため、アイレリーフが十分でなければ視界がケラレてしまう。

 at4はアイレリーフが18mmあり、メガネをかけたままでも視界が欠けず、

快適に使用できる。コンタクトレンズとメガネを併用する私にはうれしい仕様である。

ビクセン Vixen at4 M4×18の残念なところ

 at4 は安価ながら、いい意味で期待を裏切る性能を持っている。だが、いくつか残念な点があるので確認しておこう。

防水ではない

ビクセン at4
防水機能がないため、付属のケースやチャック付きビニール袋で対策を施そう。

 at4 に防水機能はない。基本的に野外で使う製品である以上、防水機能は欲しかった。価格と見え方の良さを考えれば、それは贅沢と言うべきか。

 悪天候が予想される場合は、雨対策が必要である。

見た目が価格相応

 見た目はややプラスチック感が強い。カラーリングはお洒落で決して見た目が悪いわけではないが、高級感はない。実際に廉価なのだから仕方ないだろう。

 見た目のことは気にせずに、どんどん外に持ち出して、惜しげもなく使い倒したい。

低倍率双眼鏡まとめ

 双眼鏡の性能は、高倍率であるほど良いわけではない。小型双眼鏡は10倍までを選ぶべきで、特におすすめなのが4倍〜6倍の双眼鏡だ。

 ビクセンのat4は、小さく軽く見え味がよく、それでいて安価な双眼鏡だ。登山や旅行用途双眼鏡を探している人は、ぜひ一度ビクセンのat4を試してみてほしい。

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  • この記事を書いた人

Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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