アライテント  スーパーライト・ツェルト1

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バックパックに背負える小さな旅の住まい|アライテント『スーパーライト・ツェルト1』

 真っ暗闇の山中ほど恐ろしいものはない。山中で野宿やテント泊の経験がある人なら、分かってもらえるだろう。ライトがなければ方向感覚も失い、少しの物音にも神経が反応してしまう。

 不思議なことに、テントの中に潜り込んでしまえば、恐怖心が薄れるのだな。風雨を遮り、厳しい自然環境の中でホッとできる空間を作るのがシェルターの役割だ。私が選んだシェルターは、アライテント『スーパーライト・ツェルト1』である。

アライテント  スーパーライト・ツェルト1
ツェルトは画像のように、ロープで設営したりポールで設営したり、状況に応じた設営のバリエーションが豊富だ。

 アライテントが新井睦(あらいむつみ)氏により1965年に創業されて以来、日本のテントメーカーの雄として、業界で一目置かれる存在となった。創業当初はICI石井スポーツなど登山専門店のOEM生産を請負い、1967年に『床付きツェルト』というオリジナル商品を発表した。現在のツェルトの原型を開発したのは、アライテントなのだ。社内のスタッフは企画から製造まで全員がミシンを踏み、できあがったテントは自ら山でテストする、テント作りのプロ集団である。

 さて、ツェルト(ZELT)とはドイツ後でテントの意味であるが、日本では緊急時のシェルターのことを指す。登山ではツェルトは非常用であり、テント泊山行には山岳用テントを使用するのが一般的だ。だがそれは、3000m峰のアルプスの稜線でのテント泊を想定してのこと。私のメインフィールドである森林限界下の樹林帯では、必ずしも山岳用テントである必要はない。そのような環境下ではむしろ、ツェルトのシンプルさが生きてくる。

アライテント  スーパーライト・ツェルト1
ツェルト本体とポールセット。

 ツェルトはとにかく小さくて軽い。同社を代表する山岳用テント、エアライズ1の重量は、本体、ポール、フライで1360gと十分に軽いが、対してスーパーライト・ツェルト1の本体重量は、280gしかない。ツェルト用ポールを追加してもわずか605gだ。装備の重量が疲労に直結する歩き旅では、この差は大きい。ロングトレイルを数ヶ月かけて踏破するハイカーに、ツェルトやタープなどの軽量シェルターが支持されるのはこのためだ。

 私は職業でミシンを踏んでいた経験があるため、縫製にはうるさい。だからアライテントの縫製と、生地の良さがよく分かるつもりだ。このあたりは愛用してるバックパック『クロワール35』でも確認済み。近年流行りのウルトラライト系装備と違い、ちょっとやそっとでは壊れそうにない、縫製や生地の信頼感が大きい。

設営に使う張綱。
ペグ・ポール・張綱・カラビナなど、必要なアクセサリーを揃えよう。

 ツェルトは本来、簡易シェルターである。軽く小さいことが最大のメリットであるから、少々目をつぶらないといけないこともある。結露で内部がぬれたり、虫が侵入してきたりすることもあるのだ。では、テントならそのようなことが一切なく、ホテルのように快適かといえば、そうでもないだろう。テントのほうが快適ではあるが、軽さと快適さのどちらを優先するかは、その人の山行スタイルや山域による。

 2020年7月、スポーツの日の連休に予定しているダイヤモンドトレイル縦走では、スーパーライト・ツエルト1を使用する。その様子はまた改めて。

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Takashi

元靴メーカー勤務の職人、現在はWEBライターとしてアウトドア系メディアで執筆しています。靴業界での10年以上の経験、趣味のアウトドア経験を活かして書きます。大阪府山岳連盟「青雲会」所属・読図ナヴィゲーションスキル検定「シルバーレベル」・2018年「狩猟免許」取得・ランサーズ「認定ランサー」・フルマラソンベスト3時間29分。

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